シングルフォーカス特性。
注意、興味、関心を向ける対象を一度に一つしか選べない特性。
1つのことに意識が行くと、それに集中してしまって周りが見えなくなってしまう特性。
twitterで長文書く人を観察していて見かけたが、自分にもその傾向がある気がする。
コミュ障はワーキングメモリのスペックが低い。
リアルタイムでのコミュニケーションは、言語情報そのものだけでなく、相手の感情や場の空気といった非言語情報を読み取った上で最適解を求める必要がある。
低スペックなPCで一度にアプリを大量起動するとフリーズするように、脳みそのメモリ容量が少ないと、言語情報の処理と、非言語情報の処理を同時に行うことができない。
ネットで見かけたが、これもわかる気がする。
一方で社交的な人間はというと、脳内で複数の思考を並列して行うことができるらしい。
相手の感情、自分の感情、そして理性的な判断。それぞれのアプリを脳内で同時に立ち上げ、バックグラウンド処理を用いて無意識的に処理することができるらしい。
どうやらコミュニケーション能力の差は、脳みその処理性能と、処理方法の差によるもののようだ。
だとすると、以前書いた自分の記事には誤りがあったかもしれない。
あくまで仮説として、自分と普通の人の思考の構造を図示してみた。
(中略)
普通の人が本能→感情→理性と積み上げていくのに対し、自分は本能→理性で積み上げた結果を出力している。
自分が理屈っぽいやりとりが得意な理由は、普通の人よりもよりシンプルな思考回路で理屈を捉えているからなのかもしれない。
もしかすると、普通の人間は自分の感情の上に理性を積み上げているのではなく、理性と感情を同時に制御することができるのかもしれない。
自分の感情を踏まえた上で、それが満たされるような適切な行動をとる。
相手の感情を踏まえつつも、自分の意見が通るように絶妙な距離感で会話する。
そういった器用なことができるのは、脳みそのメモリが十分に確保されているからこそできる技なのかもしれない。
一方で、本能の上に感情がない自分が、人と感情的なやりとりを行おうとするとこうなる。
自分が理性を取り除いた先には動物的本能しかない。
相手と同じ感情を共有するためには、感情というものを理性的に考え、新たに疑似的な感情を生成する必要がある。
感情を見せるために普通の人が思考をシンプルにするのに対し、自分の場合は逆に思考を複雑化させている。
自分が他人と感情的なやりとりをするとき、理性の上に疑似的な感情を生成しているかのような感覚がする。
この感覚は、シングルフォーカス特性で説明がつくような気がする。
脳みそのワーキングメモリが低いと、他の人のように理性と感情を同時に制御することができない。
しかし良好な対人関係を築くためには、理性の感情の両方が必要となる。
そこでどうするかというと、『理性』にシングルフォーカスした状態で『感情』を再現させる。
メモリほどは劣っていない脳内CPUをフル回転させ、自分の感情、相手の感情も丸ごと含めて全て『理性』で力任せに処理を行う。
相手の感情は外部情報をもとにマニュアルを参照するパターン解釈で処理する。
自分の感情はこれまでの行動から逆算し、最も矛盾と負荷の少ないものを選択して再現する。
こうして虚無の人間が生まれる……
対人関係以外でも、シングルフォーカス特性は生活に色々と悪影響を与えているような気がする。
例えば休日に外出して予定外のイベントを入れると大体失敗する。自分の感情がフォーカス外にある状態で咄嗟の判断をするので、後になって自分の希望とは違っていたと後悔することが多い。
逆に人前で嬉しくなったりしたときも大体何かやらかす。自分の感情にフォーカスが当たり過ぎて、理性的な判断が出来ない状態になってしまう。
仲良くなって心を開いた人間には大体その後で嫌われる。フォーカスを理性から自分の感情に切り替えたタイミングが、相手の感情を見失って縁が切れるタイミングでもある。夜寝る前に急にフォーカスが相手の感情に切替わり、初めてやらかしたことに気づいて発狂しそうになる。
夢中になれない、テンションが上げられない。
そんな過去の悩みも、理性というフォーカスから抜け出せないことが問題なのかもしれない。
理性だけに頼って大人になってしまったため、未だに何も愛せないのだろう。
話は変わるが、世の中には他人に迷惑をかけてばかりの人間がいる。
そういった人間は自分勝手で、よくネットで嫌われたり馬鹿にされたりしている。
そういったモンスター扱いされる人間は、もしかすると己の感情にフォーカスが絞り込まれて周りが見えなくなっているのかもしれない。
理性フォーカスに囚われた自分としては、そういった感情フォーカスモンスターの存在が、自分と紙一重のところにある近しい存在なのではないかと時々思ってしまうのである。
自分がモンスターにならないためにも、理性への依存からは中々抜け出せそうにない。
【おまけ】
↓シングルフォーカス特性について書いている本
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