バレンタインデーとか以前の話。
女子への耐性がない僕からすれば、挨拶だけでも非日常。
挨拶の魔力
みなさんは異性から挨拶されたことがあるだろうか。
恐らく普通の人間ならあるだろう。そしてそのことに対して何とも思っていないだろう。
しかし、モテない根暗オタクは違う。
根暗オタクにとって、異性から笑顔で挨拶されることはそれだけでも非日常、すなわちイレギュラーなのだ。
もしもあなたが誰にでも挨拶する人懐っこさを持っているならば、この記事を読んで自覚して欲しい。
無意識のうちに、あなたがどれだけの影響を他人に与えているのかを。
そしてあなたの周囲にいる根暗たちが、どれだけ気持ち悪い思考回路をしているのかを……。
通りすがりの笑顔の挨拶
「あ、〇〇くんおはよう!」
通りすがりに交わされるこの何気ない挨拶。
根暗オタクの僕からすれば、これはかなりヤバい。
さらに相手が笑顔だったりなんかすると、これはますますヤバい。
それだけで相手への好感度が+75点するくらいヤバい。
では、なにがそんなにヤバいのか。
僕がヤバいと思うに至るまでの過程を、箇条書きにして説明していこうと思う。
ヤバさ1 自分の存在を認知したという事実
基本的に人目を避けて生きている僕。
そこら辺を歩いているとき、僕の存在を僕として認知している人間はほぼいない。
誰も僕を気にしていない。
僕は今、周囲の人間にとってのモブキャラにすぎない。
そんな中、突然聞こえてくる僕の名前。
そして目の前には、笑顔で僕を見つめる女の子の姿が。
彼女は人込みの中から僕という存在を見つけ出し、そして僕であると認識したらしい。
モブキャラであるはずの僕。
しかし彼女の目には僕の存在が知人として映り、そして僕以外の人間がモブキャラとして映ったらしい。
ヤバい。
ヤバさ2 笑顔という労力を自分のためだけに行なったという事実
僕を見つけ、笑顔で挨拶をしてくれた彼女。
そもそも彼女はなぜ、僕に挨拶をするという行動の選択をとったのだろうか。それも笑顔で。
他人に笑顔を向ける。
僕からすれば、それはとんでもない労力を必要とする行為だ。
自分が本当に楽しいときならまだしも、何も楽しくないときに、必要以上の笑顔を他人に向けるのはとても疲れる。
彼女にとって、笑顔を他人に向ける行為はそこまでの苦痛を伴わないものなのだろうか。
それにもう一つ。
仮に彼女にとって笑顔がそれほどの労力を伴わないものだったとして、僕に笑顔を向けことのメリットは一体なんなのだろう。
彼女がキャバクラ嬢で僕が客ならば、彼女が僕に笑顔を向けるメリットはあるだろう。
しかし、僕は彼女の客ではない。
彼女が僕に笑顔を向けたところで、彼女は何のメリットも得られない。逆に僕は彼女に、何の見返りを与えることもできない。見返りを期待させるようなことすら何もしていないのだ。
ではなんだろう。
彼女は僕に、何の見返りも求めずに笑顔を向けたのだろうか。
何の見返りを求めずに笑顔を振り向けられるだけの人間なのだろうか。
ヤバい。
ヤバさ3 自分に好意があるのかもしれないという可能性を排除しきれない事実
まあ0ではない。
あるのかもしれない。
……ヤバい。
そしてヤバいのはこれだけでは終わらない。
一度相手と挨拶を交わしたことにより、そこから新たな問題が浮上する。
その問題とは……
次回すれ違うときに挨拶するのか問題
【微妙な距離感の知り合いに挨拶するかどうか】
これは僕が悩んでいる永遠のテーマの一つである。
挨拶するのかしないのか。
挨拶しないとしたらどう振る舞うべきか。
逆に挨拶するのであればどうすべきか。
声を出すか、会釈するだけか。
立ち止まって会話を広げるか、スルーするか……。
個人的には、正直挨拶なんてしたくないし無視したい。
わざわざ自分の存在を相手に認知させる必要を感じないし、認知させたところでそこから何も発生しない。
さらに挨拶をしても無視されるというリスクも存在する。挨拶をすることで、僕に生じるメリットは何もない。
しかし、自分が挨拶をしないことで相手に不快な感情を抱かせてしまうことだけは避けたい。無償の笑顔をくれた人だ。恩を仇で返すようなことはしたくない。
けれども自分から挨拶をした場合、いつまで挨拶し合う関係を継続させるかということも問題になってくる。
相手は僕と永遠に挨拶し合う関係を望んでいるのだろうか? ……いや望んでいないだろう。
恐らく知人である僕を無視して通り過ぎることに抵抗感があったから仕方なく挨拶をしただけで、いずれは自分との関係は綺麗になくしたいと思っているに違いない。
そんなときに、僕の方から挨拶し続ければ相手はどう思うだろう。
それとも……
……恐らく相手に拒絶されたくないし相手に嫌な思いをさせたくないという弱っちいメンタルがここまで悩ませるのであろうが、分かっていてもどうしても考えることを辞められない。
酷い時には相手とすれ違う色々なパターンを想定して、状況別の最適な行動をシミュレーションしてしまう。
相手が複数人と一緒だった場合、相手が一人だった場合、
相手が先に自分に気が付いた場合、自分が相手に先に気が付いた場合、
相手とすれ違うときの距離が近い場合、遠い場合、
周囲の騒音がうるさい場合、静かな場合……
そして悩んだ挙句、最終的にはいつも
相手が挨拶してきたら返すが、自分からはしない(気付かないふり)
という、何とも情けない結論に到達してしまうのだ。
最後に
ここまで書いておいて最後に一つ弁解しておくが、僕は別に、女子と話せないわけではない。
別に必要性があれば自分から話しかけることも普通に出来るし、
女子を目の前にして緊張するとか声が震えるとかそういうことはない。(たぶん)
クラスメイトを見渡せば、自分よりヤバそうな人間はいくらでもいる。(たぶん)
ここで何が言いたいかというと、別に自己弁護したいとかそういうのではない。こんな記事を書いている時点でそんなことはどうでもいい。
ただ僕は、一人でも多くの笑顔を振りまく優しい女子に言いたかったのだ。
一見普通に見える人間でも、内面ではどんな気持ち悪いこと考えているのかわからない。
他人に笑顔を振りまくときは気を付けましょう。
何か勘違いをさせてしまうかもしれません。
コメント
仲間です。
まったく同じです。
少しだけ、救われた。