自分が落ち込んでいたときに散々励ましてもらった存在、ももクロ。
そんなももクロの曲の魅力を、まだももクロをあまり知らない根暗な人向け限定に紹介していこうと思います。
※この記事は、私根暗オタクの主観に基づいて記述されています。一部、事実やモノノフの方の解釈と大きく異なる箇所があるかもしれませんが、予めご了承ください。
まず基本情報はWikipediaからどうぞ
ももいろクローバーZ(ももいろクローバーゼット)は、百田夏菜子・玉井詩織・佐々木彩夏・高城れにからなる日本のガールズユニットである。2014年には、国立競技場でのライブ(コンサート)を女性グループとしては初めて行い、2日間で11万人を動員。2016年にはライブの年間動員数が63.6万人となり、女性アーティスト1位を記録した(2014年に続き2度目)。
メジャーデビュー年の2010年には6人組、翌年には5人組、そして、結成10周年を迎える2018年には4人組となり、結束力の強いパフォーマンスや天真爛漫なキャラクター性などを特長として、モノノフと呼ばれる独自のファン層を擁する。
女優としても活動し、グループ主演の青春映画『幕が上がる』においては日本アカデミー賞などを受賞。
愛称はももクロ、ももクロちゃん。Zの文字を宙に書いて指を突き出すポーズを常用する。
1.ももクロが提示する理想像
アイドルとヒーローが好きで、アイドルとヒーローは本質的に同じだという『アイドル=ヒーロー理論』を提示する僕としては、アイドルを見るときに最初に注目するポイントがある。
それは、その人たちが提示する理想像は何か。
僕はヒーローでもアイドルでも、何か理想を定めて、それに向かって努力する姿に魅力を感じるし好きだと思う。
アイドルはファンに夢を与えるもの、とよく言われたりするけれど、それは言い換えると、ファンはアイドルに対して何らかの理想像を描いている、ということだと思う。
そしてそれはつまり、ファンに対して夢を与えるアイドルは、ファンに対して何らかの理想像を提示している、ということなんじゃないかと思うのだ。
そしてこの提示される理想像の特徴であったり種類によって、それぞれのアイドルグループの個性みたいなものは変わってくる。
自分はももクロ以外のアイドルのことはあまり詳しくないのだが、アイドルが提示する理想像として多いのが、
「女(男)の子としての理想像」
「アーティストとしての理想像」
この二つだと思う。
単純に言えばメディアやイベント等の露出重視か、ライブなどのパフォーマンス重視か、みたいなものとも言える。
そしてファンの人は各グループが提示する理想像の中から、自分の理想に一番近い物を選択して応援するわけである。中には人とは違ったところに違った理想像を描いたり、勝手な理想像を膨らませたりすることもある。
そして時にはスキャンダルや不祥事などで理想像が崩れ去り、人気が落ちたり勝手に絶望したりするわけである。
そんな、理想像を提示したり抱いたり補完したり崩れたりする関係が、アイドルとファンの基本的な構造だと勝手に解釈している。
では、ももクロが提示する理想像とはなんなのか。
それは『人としての理想像』だと僕は思っている。
もちろん、女の子としての理想像というのも当てはまるには当てはまる。ももクロのメンバーは全員可愛い。異性としても魅力的だ。そして、アーティストとしての理想像というのも当てはまるには当てはまる。あんなに激しく動き回りながら力強く歌える人はそうそういない。
しかし、ももクロを見ていると可愛いとか凄いとかいうよりかはなんかこう、
みたいな気持ちになる。
大げさかもしれないし自分の抱いた感情が一般的なのかもよく分からないけれど、純粋にひたむきに歌って踊り、周囲に笑顔を振りまく姿を見ていると自然とそんな気持ちになるのだ。
そういえば以前、ももクロのリーダーは国立競技場のライブでこんなことを言っていた。
みんなに笑顔を届けるという部分で、天下を取りたい
そしてその発言の通り、ももクロの活動はいつでも『人を笑顔にする』ということを主目的にされているように感じる。
それは女の子の理想とかアーティストの理想とかを超えて、ただ『人』として尊敬できることだなあと思うのである。
2.綺麗事に説得力がある
話は変わるが、僕は安易に綺麗事を言う人間がニガテだ。
いつか夢は叶うだの、努力は大事だの、愛だの恋だの……
安易な励ましや薄っぺらい理想論、うすら寒い愛の言葉。
ひねくれた性格の僕としては、J-POPやらでそんな歌詞の曲を聴くと、
みたいなツッコミをいれたくなってしまう。というか綺麗事に限らず、見知らぬ人間にポジティブな助言をされると無性に反発したくなってしまうのである。僕はつくづく性格が悪い。
しかしそんな綺麗事の歌詞、ももクロが歌うと印象が180度変わる。
すんなり納得してしまう。
ひねくれた自分でも受け入れてしまう理由としては、ももクロの『生き様』が関係していると思う。
路上ライブから始まり、がむしゃらなライブが人を惹きつけ徐々にファンを増やし、そして紅白出場の夢を叶えて国立競技場でライブ……
まさにももクロは、『努力をすれば夢は叶うよ』的な、綺麗事を本当に実現させてしまったかのようなグループなのである。
そんなももクロが、「おいおい、お前ら私たちについてこいよ!」的に、自分達を煽るように歌ってくるのである。
そんなももクロが、ドストレートでキラキラした歌を歌ってくるのである。
反論のしようがない
ももクロの曲は、根暗でうじうじした人間にほど響くだろうと僕は思っている。
ももクロにひねくれた自分の心を論破される感覚を、ぜひあなたにも味わって欲しい。
3.曲の抽象度が高い
ももクロは『人としての理想像』を提示していると述べたが、それはももクロの曲にも表れていると思う。
特に注目して欲しいのが、ももクロが歌う曲の歌詞である。
ももクロ曲の歌詞の特徴。これを自分なりに一言で述べるなら、
ふわっとしている
だと思う。
ももクロの歌詞はふわっとした抽象的なものが多い。もっと言うと、
誰に向けて歌っているのか分からず、
どんな場面を想定しているのかも曖昧で、
そもそもどんな意味があるのかさえぼやけている
ものが多い。
ももクロの歌詞では、やたらとスケールがデカい単語が頻出する。
『セカイ』
『無限』
『宇宙』
『次元』
そして、どこか宗教的な単語も多い
『魂』
『創造』
『天国』
『輪廻』
このふわっとした感じ、スケールが大きい感じ、誰に向けて歌っているのか分からない感じ。これはこう解釈出来ると思う。
誰に歌っているのかわからない=この世の人間全員に歌っている
ふわっとしていてスケールが大きい=この世の普遍的なことを歌っている
そして、そんな普遍的なことを全人類に向けて歌うももクロが提示するアイドル像は何か→『人としての理想像』
なのではないだろうか。
ももクロはアイドルにしては珍しく(?)、『リアリティある青春恋愛ソング』みたいなものがほとんどない。
あの人がいないと私だめなの……的な、よくある『か弱い女の子』みたいなものを押し出す曲もほとんどない。
そもそも恋愛ソング自体が少なく、あるとしてもやはり全体的にふわっとしていて抽象的で、どちらかというと恋というよりは『愛』みたいな感じに捉えられるものが多い。
対象が恋人なのか友人なのか家族なのかもわからず、年齢も時代も性別も曖昧だけど、ただ『好き』というニュアンスは伝わる。みたいな。
やたらリアリティがあったり生々しい曲がないので、非モテの根暗にも非常に優しい仕様になっている。
あとふわっとしているからか、ももクロの曲は非常に聴き流しやすい(褒めてる)
自分は勉強中やる気が出ないとき、よくももクロの曲をBGM代わりに延々と流したりしていた。
単なる個人的好みの問題だが、ももクロ曲は長時間聴き流していてもあまり不快にならない。
やる気スイッチも入るのでオススメである。
……ここまで散々ふわっとしている、ふわっとしていると書いてきたが、ただ一つ
前向きでポジティブなことを歌っている
ということは、ふわっとした中でもしっかりと伝わってくる。
4.アイドルだから許容できる不完全さ
『人間としての理想』だのなんだの、ここまで気持ち悪いくらいべた褒めしているが、当然彼女たちも人間なので完璧ではない。
自分は音痴なので分からないが、やはり音楽的な技術面で言えば一流のアーティストに劣る部分があるだろう。
また裏表のなさが魅力の一つと言われたりするが、当然隠し事の一つや二つはあるはずだ。例は挙げないが大人の事情やもやっとしたものを感じることはこれまで時々あった。
自分が勝手に描いた『理想』としてのももクロと『実際』のももクロ。その二つの間にずれが生じることは当然ある。結構ある。
……だがそれでも構わない。
むしろそれがいい。
理想と現実の少しのギャップ。そのギャップがあるからこそ、人は惹かれるのである。
またしてもヒーローの例になるが、人々に愛されるヒーローで、『完全無欠のヒーロー 』みたいなものは意外と存在しない。どんなヒーローでも、意外と何かしらの欠点を持っている。
あのアンパンマンだってそうだ。アンパンマンはアンパンなので割と弱点が多く弱い。毎回ピンチに陥る。しかし、だからこそ応援したくなる。
もしアンパンマンがバイキンマンを一方的に殴っていたら、恐らく誰も応援しないだろう。
提示する理想像と現実とのギャップ。
それがあるからこそヒーローもアイドルも必死になり、そしてその姿に我々凡人は心打たれるのである。
提示する理想像に共感出来るからこそ、細かい欠点は許容出来る。
むしろ欠点を許容する過程こそ、好きを深めるきっかけになると僕は思う。
5.変化する
ももクロの新曲が発表される度に思うことがある。
そしてそんな曲は、1年後くらいに聴き直すと大抵こう思う
ももクロの曲は聴く度に評価が変わる。
ライブの映像を観る前と後で曲に対する印象が変わり、
曲を聴いたときの自分の状況で曲に対する思い入れが変わり、
社会や環境の変化に伴い曲の見方が変わったりする。
そんな変化を感じるのが面白いので、一時的にももクロから離れたりすることがあっても、また定期的に聴き直したくなるのである。
そして変化と言えば、ももクロの曲は曲によってジャンルの変化が激しい。とにかく曲の幅が広い。
ももクロはこだわりを持って何かを突き詰めるというよりかは、何事も積極的に挑戦して吸収するというタイプだと思う。なので曲のジャンルも多種多様になる。
音楽センスのない僕としては、同じアーティストの曲を連続して聴いていると
とか思っちゃうのだけれど、ももクロにはその感じがない。
曲ごとに違ったももクロが見られるし、年ごとの変化も楽しめる。
だからなかなか飽きが来ない。
つづく
次回はももクロの具体的な曲について書いていこうと思います。
一般的な紹介は他の詳しいファンの人に任せて、次もあくまで『根暗視点から見たももクロ』にこだわっていきたいです。
この記事にピンと来ても来なくても、とにかくあなたが根暗で落ち込みがちならば、一度ももクロの曲や動画を視聴してみることをおすすめします。
次の記事:根暗目線でおすすめするももクロの曲10選
ももクロの10周年を記念したベストアルバム。
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