ねくおた誕生記(11)進学校の落ちこぼれは浪人しがち

ねくら思考
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自分は頭が良いと勘違いした凡人が進学校で挫折して落ちこぼれるだけのよくある話。


前々回記事:ねくおた誕生記(9)部活と挫折と
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井の中の蛙な中学生

自慢だが、僕は人一倍勉強が出来た。

クラス内では一番成績が良く、塾内でも常に上位の学力をキープしていた。

先生からの評価も高く、いかにもガリ勉眼鏡といった外見をしていた僕。しかし実際のところはそこまで勉強をしていたわけではなかった。

普通に塾に通い、普通に宿題をこなしてさえいればテストで高得点を取れていたのだった。普通にしていれば余裕で点数は取れる。むしろどうして他の連中があんなにも点数が低いのか分からない。そんな感覚だった。

 

教師
まつようじみたいにお前らも頑張れよ

 

と、他の人にむかって教師は言う。

しかし中学時代の自分には、勉強に対して努力をして取り組むという感覚があまりなかった。そして自分と同じような勉強が得意な人間も、別に勉強に対して『努力』をしているような印象はあまりなかった。

まつようじ
まあ俺は別に頑張ってないけどな

 

さらっと好成績を取る人間の集団と、勉強に苦戦しているもう一つの人間の集団。

この二つの集団を見比べながら、あるとき僕は悟ったのだった。

テストで良い点を取るためにもっとも重要なこと……

 

それはセンス

 

 

大海を知った高校生

そんなこんなで受験に成功し、入学したのはそこそこ賢い進学校。

自分に勉強のセンスがあると疑わなかった僕は、当初は自信満々で授業を受けていた。

しかし僕が通っていた進学校の授業……

めちゃくそ分かりにくかった。

 

進学校だけあって授業の進むスピードがめちゃ早い。

そして中学に比べ圧倒的に難易度が高い。

にも関わらず、意外と先生の指導レベルが低い。

しかしなぜだが周りの連中の理解力が高い。

どうやら進学校とは教育設備が充実しているから名門大学に多く進学するわけではないらしい。ただ単純に優秀な奴が集まるから、優秀な大学に行く人が多いだけなのである。(高校にもよるが)

 

そしてどうやら自分はそこまで優秀ではなかったらしい。

勉強が分からない。授業についていけない。

そんな感覚を、僕は高校生になって初めて味わった。

 

 

凡人の見栄

高3になると、進学校の中でも勉強が出来る人間と出来ない人間がはっきりと2極化されていった。

当然ながら僕は出来ない側の人間。しかしなんとか『部活に打ち込んでいるから』という言い訳をすることで、自分で自分を誤魔化していた。

しかし、唯一の居場所だった部活での結末は病気&途中退部。

周りの人間が部活と勉強を両立させる中、自分は図らずも、真面目に勉強するしかない状況に追い込まれてしまったのである。

もう勉強が出来ない言い訳になるものはない。

しかも途中退部した僕に、かつてのチームメイトがいらない励ましの言葉をかけてくる。

元チームメイトA
残念だけど、その分受験勉強頑張れよ。俺はK大目指すけど、秋まで部活するつもりだから厳しいかなあ~
元チームメイトB
勉強する時間あるんだし、君も僕と同じT大目指してみたら?

 

なぜだか知らんが自分のチームメイトはことごとく頭が良かった。

そして部活を続けると言いながら、T大やK大といったトップクラスの大学を目指していた。(実際に合格した)

そして僕が勉強が出来ない側の人間だと気付いていなかった。(恐らく眼鏡をしていたから)

こうなってくると、プライドの高い僕としては、

まつようじ
いやー、僕実はめちゃくちゃ頭悪いんだよねー。みんなは部活と両立しながら良い大学行けるかもしれないけど、僕は勉強に専念しても大した大学には行けないだろうなあ

 

なんてセリフは口が裂けても言えなかった。

せいいっぱい見栄を張り、

まつようじ
ま、まあ、最低でも○○大くらいは行きたいなあ……。え、滑り止め? ……ま、まあ××大くらい受けとけば安心かな……。

 

みたいな感じで答えていた。

ちなみに僕が滑り止めとして挙げた××大ですら、自分の今の学力ではなかなか厳しいレベルだった。

しかし、教師が言っていた

教師
現役生は高3の秋に成績めっちゃ上がる

 

という根拠のない謎の情報を信じ、受験勉強を開始したのである。

まつようじ
お、俺はまだ本気出してないだけだし。本気出せば入試くらい余裕だし……

 

 

当時の僕はまだ、自分には勉強センスがあるはずだとギリギリ信じ続けていた……。

 

 

努力する時点で何かがおかしい

結論から言うと、自分には勉強センスなんてものはなかったらしい。

夏から受験勉強に専念した僕だったが、成績は全く上がらなかった

 

自分がどこからつまずいているのか分からない

ぼっちコミュ障だから誰にも質問出来ない

なのに見栄を張って難しい問題集に手を出してしまう

〇進の映像授業を受けてみたがそれでもよく分からん

というか東〇の英語教師が5分に一度くらいしょうもないギャグをかましてきてうざい

センター試験+二次試験の対策。やることが多すぎてどう考えても間に合わない

 

もう色々と行き詰っていた。

そもそも努力しないといけない時点で何かがおかしい。中学のときは、あんなに余裕だったのに。

僕は混乱した。

自分はこれまでの経験上、分かる問題を定着させる勉強は得意だったが、わからない問題を理解する勉強をしたことがなかった。だって理解出来ないことがなかったから。

高3の僕は勉強が分からず、

正しい努力の仕方も分からず、

そのくせ意外とプライドが高く、

そして友達がいなかった。

 

この状況だともう、受験の前から容易に結果は想像が付くだろう。

 

 

想像通りの結末

進学校の落ちこぼれが受験に失敗する。

ただそれだけの結末なので、受験の様子と結末についてはダイジェストで書こうと思う。

 

まずはセンター試験。

作中の謎の少女
おほほほほほほ。あはははははは。
まつようじ
???????????

 

 

 

国語で大爆死

 

 

他の教科も悲惨。

しかし、見栄を張って私大はどこも受けていない……!

 

気を取り直して二次試験!!

……の二週間前

 

まつようじ
激烈に腹がいてえ

 

 

 

病気の再発

 

 

体内に直径13mmのいしころが!! しかも複数!!

このままだと体内の通り道が塞がれてしまう!!

今すぐ入院した方がいい。しかし、それだと入試が!!

医師
仕方ない。これで時間を稼ぎましょう
まつようじ

 

 

 

ち〇ち〇から管を入れて通り道の確保

 

 

まつようじ
うぎゃああああ

 

〇ん〇んに傷がついたことによる激痛!!!

おしっこするたびに沁みる!!!!

膀胱に管が当たってなんかキュンキュンする!!!!

しかしそのまま第一志望の入試へ!!!!

 

 

 

もちろん大爆死

 

 

まつようじ
頭が回らんっ

 

しかし落ち込んではいられない!

まだ滑り止め(E判定)が残っている!!

体内にいしころと管を装備したまま、最後の力を振り絞って入試会場へ!!!

まつようじ
うおおおおおおおお!!!!!

 

 

 

大爆死

 

 

普通にぜんぜん分からなかった……。

まつようじ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

 

 

 

 

 

 

 

浪人確定

&

入院

 

 

 

つづく

 

タグ:ねくおた誕生記

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画像:© DEATH NOTE

コメント

  1. かなり苦労されてるんですね….
    仕事はじめてから、気持ち的に少しでも余裕みたいなものができればと願います((

    • コメントありがとうございます。
      苦労といっても半分はただの自爆ですけどね。
      一方で大学生活はかなり気楽に過ごせました。仕事はじまったらどうなるか……