とんかつとDJ……
まったく異なる二つの要素が、奇跡の化学反応を生む。
原作は少年ジャンプ+
2014年9月から連載がスタートした本作品。
その奇抜なタイトルとゆるーいイラストから
「え、何それ? ふざけてんの?」
と、不審に思った人も多いと思います。
しかし、初見の印象であなどることなかれ。
この漫画、ギャグ漫画としてもDJ漫画としてもとんかつ漫画としても(?)かなり完成度が高いです。
まずはあらすじ
東京・渋谷の片隅にある一軒のとんかつ屋「しぶかつ」の3代目・勝又揚太郎は、家業のとんかつ屋を手伝っているものの、本腰を入れることもなく、日々をダラダラ過ごしていた。
そんなある日の閉店間もない頃、出前を任された揚太郎が届けた場所は、一軒のクラブだった!
町内会の盆踊り大会よりも自由度が高く、ストレスフリーな空間の虜になった揚太郎は、クラブカルチャーにどっぷりとつかり始める中、とんかつ屋とDJとの共通点を発見し…!?
では、本作品の魅力とは何か。
ポイント① サクサク読めるが満足感はとんかつ級
原作はweb漫画ということもあり、読者を飽きさせないようにテンポ良く物語が進行していきます。
大まかな話のながれは主人公がクラブカルチャーに影響を受け、そして一流のDJを目指すというもの。
……と、ここまではよくある王道の展開なのですが、ここにやたらととんかつの要素が話に入り込んでくるんです。
「俺には野球しかねえんだ!」
とか、
「○○王に俺はなる!」
とか、
一つの目標を目指してまっすぐ突き進むのが、主人公の一般的な姿であり魅力です。
しかし、揚太郎は違います。
なんと一流のDJと一流のとんかつ職人を同時に目指すんです。
二足のわらじを履くという、過酷な道を選択した揚太郎。
とんかつ屋とDJって同じなのか!!!???
コミックス一巻より
とんかつとDJの両立。この設定が、痛快なギャグとして機能しているのは言うまでもありません。
しかし、それだけではないんです。しっかりと作品のテーマにも繋がっていきまます。
とんかつとDJの両立。これは、言い換えると趣味と仕事の両立なんです。
【やりたいこととやらなければいけないこと、これをどう両立するか】
そんなテーマがこの作品にはあるように感じました。
始めはとんかつに興味もなく、無気力な日々を送っていた揚太郎。しかしDJになることを目指してから、揚太郎のとんかつに対する思いも変化していきます。
仕事が忙しくても趣味はしっかりやりたい!
勉強と部活、どちらも頂点を目指すんだ!
そうお考えのあなたは、きっと揚太郎に共感し、応援したくなるはずです。
ポイント② やたらとアツい
本作品を読みながら、途中僕が思ったこと。
「これ、めちゃくちゃ王道やん」
出版社が集英社だからかは知りませんが、所々の展開が超アツい。邪道でカオスな設定ですが、ストーリーは時に直球ど真ん中。
それも、
努力・友情・勝利
です。
一流のDJを目指す揚太郎。その道のりは険しく、様々な試練が揚太郎を襲います。
- 超上手いライバルの登場
- 思わぬアクシデント、イベント存続の危機
- スランプ
越えなければならない高い壁を前を超えようと、揚太郎は必死に努力をします。
そして考えるのです。
「何か打開策はないか……」
よくある王道の主人公のピンチ。そして王道でよくあるように、主人公は少しのきっかけを基に、壁を乗り越えていくのです。
少しのきっかけ……
それはやはりとんかつです(笑)
アニメ化
邪道のようで王道、そんな『とんかつDJアゲ太郎』が、2016年4月にアニメ化するそうです。
揚太郎がどんな風に動くのか、そしてどんなDJを披露してくれるのか、かなり楽しみです。
漫画の方は、少年ジャンプ+ で最初と最新の部分を読むことが出来ます。
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