シビルウォー 【考察】 各ヒーローが抱える矛盾

映画
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キャプテン・アメリカとアイアンマン。そして他のヒーローたち。

彼らの行動はある面では正しいとも言えるし、またある面では間違っているとも言える。

『キャプテン・アメリカ シビルウォー』における、ヒーローたちの【不完全な部分】に注目してみました。


 

感想はこちら:シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 【ネタバレ感想】 シリアスながらも痛快な傑作

 

キャプテン・アメリカ

・正義のためには、多少の犠牲を気にしてはならない。

でも

・秩序を乱してでも、友のことは全力で守る。

 

「犠牲者のことは気にし過ぎるな」
キャプテンがこんな考え方をすることが、僕にとっては少し意外だった。

キャプテン・アメリカと言えば、なんとなく主人公補正バリバリなイメージがある。アベンジャーズでは敵と戦い、ちゃっかり市民も全員助けたかと思っていた。

が、そうではなかった。

いくらキャプテン・アメリカでも、救いきれない命はある。彼の活躍の裏で、映されていない多くの犠牲者がいたのだ。

戦闘によって犠牲者が生じる。しかし、敵を倒さなけえればもっと犠牲者が出る。

ご都合主義でないそんな現実があったから、キャプテンはこのような厳しい考え方に至ったのだろう。

・正義のためには、多少の犠牲を気にしてはならない。

 

だからキャプテンのこの考え方は、そこまで間違っているとは思えない。少なくとも本人は、自信の考え方を正しいと思っている。

しかし、キャプテンは自分の正義に反する行動をしてしまう。

周りを混乱させてまで、【バッキ―という犠牲】を全力で拒否したのだ。

・秩序を乱してでも、友のことは全力で守る。

今回シビルウォーを観て思ったのだが、僕は今作のキャプテンは正義のために戦っていないような感じがした。

一応、『バッキーの裏にいる悪を倒すための行為』 という体ではあるのだが、キャプテンはなによりもまず『バッキ―を守ること』を優先させているように見えたのだ。

 

親友のため、敵だけでなく仲間とまで戦ってしまったキャプテン。

正義のためにベストな選択が、ヒーローにとってのベストな選択とは限らない。

 

アイアンマン

・市民を殺してしまったことに、罪の意識を感じている。

でも、

・自分の両親を殺したバッキ―は絶対に許さない。

 

アイアンマンことトニー・スタークは、作品を重ねるごとに大人しくなっているような気がする。

まあ散々いろいろとやらかしたので、そうなってしまうのも無理はないのかもしれない。特にアベンジャーズ2に至っては、ほぼ100%彼の独断行動が原因による大惨事だ。

そんなこともあってか、彼は真っ先にソコヴィア協定に賛成する。恐らく、犠牲者を出してしまったことに対する『償いの意識』があったからだろうと思う。

・市民を殺してしまったことに、罪の意識を感じている。

 

しかし、終盤でのトニー・スタークの行動はどうだろうか。バッキ―が自分の親の仇であるとわかったとき、アイアンマンはバッキ―のことを全力で殺そうとする。

キャプテンが、『バッキ―は洗脳されていただけなんだ!』と言ってもまるで聞く耳を持たない。あれだけ自分もやらかしてきたのに、だ。

・自分の両親を殺したバッキ―は絶対に許さない

大人な対応をしていたトニーが、最後に我を失ってしまう。愛するものを失う悲しみは、失ってみないとわからないものなのかもしれない。

 

 

ブラックウィドウ

・アイアンマン側につく。

でも、

・キャプテンアメリカを助ける。

 

『シビルウォ―』において、一番状況を冷静に判断しようとしていたのが彼女だと思う。ソコヴィア協定に署名をしたのも、アベンジャーズに対する風当たりの強さを感じての決断だった。

・アイアンマン側につく。

だが、ブラックウィドウは終盤でキャプテンアメリカの手助けをすることで、アイアンマンのことを裏切ったのだ。

・キャプテンアメリカを助ける。

 

アイアンマンとキャプテンアメリカ。そのどちら側にも完全にはつかない姿勢は、一見するとブレているようにも見える。

しかし、個人的にはそうではないように思った。そもそも彼女は別に、どちら側につくとかどちらが正しいとか、そういった考え方をあまりしていない。

世間の批判を避けるために、とりあえず国連に従おう。頑固なキャプテンを助ける。どうせ止めても無駄だから、好きにやらせておいた方が社会には有益だろう。

キャプテンやアイアンマンよりも、ブラックウィドウの方がよっぽどしっかりしている気がする。良くも悪くも実利的なのだろう。

 

 

スパイダーマン

・保護者はメイおばさん

でも、

・おばさんと呼ぶには若すぎる

 

メイおばさんが若い。彼女から発せられるあの色気はなんなのだろうか。

メイおばさん演じる、マリサ・トメイの年齢は現在51歳。サムライミ版でのメイおばさん役が当時74歳。アメスパ版でのメイおばさん役が当時66歳であることを考えると、異例の若返りだ。

そこで気になってくるのがスパイダーマンの次回作だ。

優しいおばあちゃん的メイおばさんのポジションはどう変わるのか。そしてベンおじさんは?

若返ってムキムキのベンおじさんとかは、ちょっとやめてほしい。

 

アントマン

・アリのように小さくなれるからアントマン

でも、

・デカくもなれる

 

今回、とても大きな見せ場を作ったアントマン。

『ジャイアントマン』と言うらしいが、『ちっちゃいヒーロー』という、自分のアイデンティティを放棄してしまったような気もする。
(ジャイアントマンだからいいのか?)

ところでアントマンは、巨大化したらその質量はどうなるのだろうか。質量保存の法則からして中身はスカスカ?

でも、キーホルダー戦車は重くなっていたしなあ。

……これも、ヒーローが抱える『矛盾』なのだろうか。

 


ニューアベンジャーズ:シビル・ウォー (MARVEL)

 

おわりです。

ヒーローが多く登場し、そしてそのそれぞれに葛藤が用意されているシビルウォ―は、やはり凄い作品なんじゃないかなあと思いました。

 

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画像:©MARVEL

コメント

  1. こんにちは!初めて記事を見させていただきました!とても良い考察で感動です

    アントマンに関しては原子間の距離を縮めるだけだから質量は変わらないと劇中でピム博士が説明してました!(それだと縮小・巨大化したときのパワーとか体重とかいろいろ矛盾は出てくるのですが…)
    まあ漫画だから少しくらい矛盾はありますよね笑笑

    • コメントと補足ありがとうございます!
      まあ最終的に面白ければOKですね笑