シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 【ネタバレ感想】 シリアスながらも痛快な傑作

映画
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アベンジャーズ2.5とも言われる今作。

ヒーロー同士の対立。正義と正義のぶつかり合い。

とても難しいテーマを、ルッソ兄弟は中々の形で完成させてくれました。


 

GW真っ盛り。母校が大学祭で賑わう中、向かった先は映画館。

以前公開された映画『バットマンVSスーパーマン』でのモヤモヤを胸に秘めながら、僕は映画を観始めた。

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※ネタバレします。

 

 

まずはあらすじ

アベンジャーズのリーダーとなった、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)。しかし、彼らが世界各地で繰り広げた戦いが甚大な被害を及ぼしたことが問題になる。さらに、それを回避するためにアベンジャーズは国際的政府組織の管理下に置かれ、活動を制限されることに。アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)はこの処置に賛成するが、自発的に平和を守るべきだと考えるキャプテン・アメリカはそんな彼に反発。二人のにらみ合いが激化していく中、世界を震撼(しんかん)させるテロ事件が起きてしまう。

シネマトゥディ

 

気になったとこ

開幕早々の激しい戦闘

いきなり興奮する戦闘を見せてくれた。キャプテン・アメリカ率いる超人チームによる連携プレーだ。

キャラ紹介とばかりにそれぞれの特技を披露しながら敵を倒し、目的を達成していくキャプテンたち。

アベンジャーズシリーズではもうおなじみになりつつある展開だ。僕も『お約束』として期待していた場面である。

しかし、戦闘終盤でこれまでになかったことが起こる。

メンバーの一人、スカーレットウィッチが、誤ってビルを爆破させてしまうのだ。(敵の自爆からキャプテンを守ろうとした)

(あ、これ誰か死んだな……。)

事情を察し、深刻な表情を浮かべるメンバーたち。そして次の場面へ。

ヒーローの行動に巻き込まれ、一般人が死ぬ。アベンジャーズシリーズでその現実が明示されたのは、たぶん今回が初めてのことだ。

なんだか今回は一味違うな。そう思わずにはいられない場面だった。

 

ダイジェスト大被害

私服のアベンジャーズメンバーが勢ぞろいした場面。ここで前作までのダイジェスト映像が流れたとき、思わず僕はにやけてしまった。

映像に映し出されたのは、ヒーローたちのかつての活躍。宇宙人と戦ったり、人工知能の暴走を食い止めたり……。

しかし、視点を変えるとヒーローの行動はまさに大惨事だ。倒壊する数々のビル、逃げ惑う大勢の人々……。

ヒーローは世界を救うのかもしれないが、そのために身内を殺されたんじゃたまったもんじゃない。

『成果のためには犠牲がつきまとう』

今までの活躍の負の側面を、本作で一気に顕在化させているように感じた。

ところで、ハルクは今頃どうしているんだろう。ハルクの中の人バナー博士が、罪の意識で病んでしまわないか心配。

 

絶妙な二人のすれ違い

ヒーローとヒーローが戦う。普通に考えて、この展開はおかしい。

しかし、本作では実にうまいこと対立の展開まで持っていったなあと思った。やはり前作までのしっかりした登場人物の掘り下げが大きい。

「ソコヴィア協定」に従おうと言い出したトニー・スタークの言い分はよく分かる。

開発した武器の悪用に、人工知能の暴走。彼はこれまで散々自分勝手に行動してきて、そして散々周りに迷惑をかけてきた。彼が慎重な行動をとろうとすることも納得がいくだろう。

一方で、キャプテンが協定に反発するのもそりゃそうだよなあと思う。

なによりも前作『ウィンターソルジャー』で、所属する組織に裏切られたことが大きい。そしてキャプテンは、自らの正義に絶対的な自信を持っている。実際、キャプテンの行動はだいたい正しい。だいたい。

このように、似ているようで微妙に違うキャプテンとアイアンマンの立場と考え。ここにバッキ―の問題や様々なすれ違いが生じれば、そりゃあ殴り合わないわけにはいかない。

一方的な勘違いで戦っちゃう『バットマンVSスーパーマン』とは違い、本作は対立に至るまでの過程が丁寧だと思った。
(それでも「お前らもっと落ち着いて話し合えよ」とはツッコミたくなるが)

 

バッキ―の圧倒的ヒロイン感

今作一番のヒロインはバッキ―。これは間違いない。

世界を敵に回してまで助けようとするキャプテンと、助けられるバッキ―。

「俺のためにそこまでしなくても……」とは言うが、逃げ出さないあたりまんざらでもなさそう。

敵にあっさり洗脳され、かと思えばすぐに復活し、そして今度は襲われる……。以前は頼れる相棒、前作は超強い敵だったのだが、今回のバッキ―はなんだか弱々しい。

ストーリーの都合上、仕方のないことなのかもしれないが、もう少し頼れる男バッキーが見たかった。

 

キャプテン、ついに卒業?

『キャプテン・アメリカ 90歳童貞説』 が密かに囁かれているが、今回のキャプテンは少し違ったように感じた。

何より気になったのが、エージェント13のシャロン・カーターとの自然なキスシーン。

……あれ? あのキャプテンが、なんだかいい感じになってる? それも相手は初恋の人の姪! これはいろんな意味でレベルが高い。

これはいよいよキャプテン卒業か? いや、じつはもう既に?

バッキ―とファルコン同様、この場面にはニヤニヤしてしまった。

しかしラストで、キャプテンは国外での逃亡生活を選択してしまう。しばらく彼女との遠距離恋愛が続きそう。

 

お気楽なクモとアリ

全体的にシリアスな雰囲気の本作。そんな中、アントマンとスパイダーマンがいい存在だった。

まずはアントマン。まさかの巨大化(笑)

スターク社は信用ならない! という師匠の教えのもと、好き放題暴れ回っていた。

そして大注目のスパイダーマン。おっさんヒーローが多い中で、高校生の若さが光る。

アイアンマンとの師弟関係や、キャプテンとのアツい戦闘がとても良かった。彼単体の作品が楽しみ。

シリアスな中でも純粋な楽しさは忘れない。作品としても絶妙なバランスだったと思う。

 

チーム戦

一番の見せ場。6対6のチーム戦。

主役級のキャラがあれだけ集まって、面白くないわけがない。

もうただの祭り。空港大被害。(許可なし)

あれだけ暴れれば、アベンジャーズが嫌われるのも無理はない。

 

マジの殴り合い

チームに分かれたヒーローとヒーローのぶつかり合い。これはこれでかなり興奮したのだが、いまいち緊張感のなさのようなものを感じていた。

まあ本来は仲間同士だし仕方ない。

そんな僕の気持ちを見透かすかのように、ラストの殴り合いは手に汗握るハラハラものだった。

アイアンマンはマジで殺す気だし、キャプテンも本気の攻撃。もうただの喧嘩ではない。

ヒーローものの対立といえば、敵の出現で仲直りが王道パターンなのだが、今回はそうはいかなかった。複雑なテーマを扱っている以上、安易な解決法なんてものは存在しない。

「まさか母親の名前が同じなのか?」
と少し心配したがそんなこともなく、別々の道を歩む形で物語は集結した。

最後の手紙で少しだけ安心。

 

まとめ

シリーズ最シリアスとなった今作。かつてなく深刻なテーマが扱われ、それに伴いヒーローたちの『人間くさい部分』が浮き彫りになる作品だったと思う。

個人的には、葛藤するヒーローは大好きだ。現実的に考えて、完璧な人間は存在しない。それと同様に、完全な正義というものも存在しないと思う。

作中では、アイアンマンとキャプテン・アメリカ、どちらも正しいし、どちらも間違っている。そして、彼らは必ずしも正義のために行動しているわけではない。何らかの形で、個人的な事情が彼らの行動に大きく影響しているように感じた。

この、『正義への思いと個人的な思い』 『理想と現実のギャップ』 によって生じる葛藤が、本作、もっと言えばヒーローもの全体としての魅力であると思う。

 

一方で、『お祭り映画』としての魅力も損なわれてはいなかった。純粋な活躍をしない分カタルシスには欠けるものの、豪華で迫力満点のアクションシーンには大満足だ。

 

そして、気になってくるのは続編である。おそらくアベンジャーズ3で、キャプテンとアイアンマンの共闘がまた観られるのではないだろうか。

しかし、心配事が一つだけある。

今回作中で『一般人が死んじゃってるよ問題』を扱ってしまった以上、以前のような街中での馬鹿アクションはもう出来ないのではないか。ヒーロー、そして視聴者は今まで以上に、『一般市民』の存在を戦闘シーンで気にすることになるからだ。

果たしてそんな状況で、かつてのようなカタルシスは得られるのか。これからますます複雑化するアベンジャーズが、一体いつまで面白さと人気を保ち続けられるのか。

不安でもあり楽しみでもある。

 

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