ついに最終回50話を迎えた鉄血のオルフェンズ。
最後まで見た率直な感想です。
感想
悲惨
兄貴ぃぃーッ!!
ラ、ラフターーッ!!
シノーー!!
オ、オ、オルガァァーー!!
ハッシュぅぅーー!!
昭弘ぉぉ……
三日月……
僕が鉄血のオルフェンズで好きなポイント、そして二期で求めていたポイント。それは、
・アツさ
・泥臭さ
・社会の厳しさ
・鉄華団の強さと脆さ
だった。
そして僕の期待通り、鉄血のオルフェンズ二期は泥臭くて激しい作品だったと思う。
強引な主人公補正はなく、ご都合主義展開も少なく、勝利には必ず代償が付きまとい、そんな中でも仲間で支えあって強く生きていく。まさに僕がロボットアニメに求める要素を全て詰め込んでくれたような作品だった。
本当に面白い要素がたくさん詰まった作品。鉄血のオルフェンズ。だけど僕は終盤まで見て思った。
流れは理想通りだけどなんか思ってたんと違う
い、いや、厳しい世界は望んでいたんだけれども、あそこまで鉄華団の行動が裏目に出る展開が続くとお……おう、となってしまった。火星の王になる! と意気込んでいたオルガがどんどんやつれていき、最終的に目標が『逃げる』にまでなってしまうのが空しかった。ラストはいい感じに終わったけれど、そこまでの敗北続きはただただ見ていてしんどかった……。
たぶん終盤に感じたこの何とも言えない残念感は、キャラに愛着が湧いたからこそのものなんだと思う。
作戦の失敗、鉄華団の壊滅は話の流れ的には自然。そして自分好みの展開ではあった。
だけど鉄華団を応援していたからこそ、駄作になってもいいから火星の王になって欲しかったなあ、爽快に逆転勝ちして終わって欲しかったなあ
という複雑な気持ち。
マッキーについて
一期ではギャラルホルンの腐敗を正し、古くからの友を裏切り、マスクを被り、幼女を愛し、そして圧倒的な強さと知性を誇っていたマッキーことマクギリス・ファリド……。
思っていた以上に小物だった。
二期のマッキーは本当に良いところがなかった。二期の序盤、鉄火団と手を組んだときには物凄く頼もしかったし、何かすごいことをやらかしそうな雰囲気プンプンしていた。
しかし、蓋を開けてみればただ力が欲しかっただけという残念な目的だった上に、大して強くもないアグニカ・カイエルとかいう機体を過信し、最終的には一人で暴走した挙句ガエリオにやられるって……
正直がっかりだよ。
個人的にはもっと活躍するマッキーが見たかった。知的な作戦を見事に決めて余裕たっぷりに笑うマッキーが見たかった。
しかし、だからといって「駄作だった」とは言いづらい。なぜかというと、『実は小物だったマッキー』という描写が腹立つくらい意図的にしっかり描写されていたから。
いや、わかる。マッキーが心に闇を抱えていたから力にこだわってしまったのはよくわかる。マッキーに隠された行動原理に関しては納得できるし、作品のテーマに合っているのかもしれないけれど……
マッキーはカッコイイマッキーでいて欲しかった。
強がりの余裕笑いなんて見たくなかった。終盤は見ていて痛々しかった。
汚い大人が勝つ世界
最終話を終えての一番の勝者。
それはもちろんラスタル様だろう。
このおっさんは本当に強かった。というか隙が無さ過ぎた。
有能な部下をたくさん持ち、
決して自分の手を汚さず、
汚い部分を巧妙に隠し、
視聴者のヘイトは全てイオクに被せ、
死亡フラグを一切立てず、
最終的には邪魔ものは全て排除し、
騒動後もちゃっかり権力をキープする……
ほんと汚い大人だよ……
汚い大人が生き残り、大人になれない奴が死ぬ
終盤のオルフェンズはこれを徹底していたように思う。
野望とか目標とかに突っ走るのではなく、それを隠しながら嘘と建前を使ってせこくいやらしく生きていく。
ラストのユージンやタカキ達は幸せそうだったけれど、ラスタルの前で大人しくしている様子とかを見ると「お前らも汚い大人になっちまたんだな……」と思わずにはいられなかった。
一方で、今考えてみるとクーデリアは二期始めの時点で既に『大人の汚さ』を身に着けていたように思う。二期を見ている間、僕はずっと「クーデリアなんかしてやれよ! マスコミ使って何かするとか出来ないのか? 革命の乙女なんだろ!」と思っていたが、彼女は最初から『鉄華団壊滅のシナリオ』を想定していたのかもしれない。
鉄華団の支持者として自分が表に出るよりは、将来を見据えて地道な活動を継続した方が良い。
鉄華団を応援する裏で、無意識的にそんな汚い計算をしていたのではないだろうか。(『ラスタルと組む未来まで読んでた』っていうのは考え過ぎ?)
ラスト良かった
良かった、というよりは『これしかないよな』という印象。
鉄華団全滅ENDまで想定していたので、その反動で「よかったじゃん」と思えてしまった。とりあえずアトラが幸せそうでなにより(アルミリアは?)
多くの犠牲が出たものの、オルガの命令を果たして皆がそれぞれの道に進んだラスト。「戦わなくてもいい居場所」を皆に与えようと頑張ってきたオルガは天国で喜んでいるだろうと思う。
ただ一つ心残りなのがライド。
汚い大人になれなかったライドは、オルガのような戦いと破滅の道を選ぶんだろうなあと思うと何とも言えない気持ちになる。
最後に
一時はどうなることかと思った鉄血のオルフェンズですが、なんやかんやで最後まで楽しく視聴できたと思います。
途中しんどい展開が続きましたが、そこには『ファンサービス』として二期を続けるのではなく、あくまで『泥臭い鉄血のオルフェンズ』として物語を進行させようとする製作者の心意気が感じられました。
その結果、我々視聴者が苦しめられる形にはなったのですが、トータルでみれば満足です。
総統閣下は鉄血のオルフェンズの最終話を見てお怒りのようです。
画像引用:©創通・サンライズ・MBS
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