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ねくおた誕生記(1) 人生のピークは幼稚園

ねくおた誕生記(1) 人生のピークは幼稚園

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なんかもう忙しいしPVとかもどうでもよくなったので、全く需要が無いだろうけど自分の人生を振り返ろうと思います。

暇な方はどうぞ。


僕がどうして根暗ひねくれぼっち童貞大学生になったのか。

とりあえず記憶の残っている幼稚園時代から。

 

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人生のピークは5歳

「人生のピークはいつですか?」

誰かにそう尋ねられたとき、僕は迷わずこう答えるだろう。

「5歳」

幼稚園生だった5歳のあの頃。僕の人生はとてつもなく充実していた。

何がそこまで充実していたのかというと、今ではとても考えられないほどモテていたのだ。

なぜあそこまでモテていたのか。正直自分でもよくわからない。

当時の僕は、えなりかずきから可愛げを取ったような顔をしており、どちらかといえば顔はブサイクな方だった。(えなりかずきに失礼だが)

たぶん僕が転入生で、その勢いで何となく目立っていたからモテていただけなのだろう。

まあ理由はともあれ、僕はとにかくモテていた。

モテていた。

そう、モテていたのだ。

 

あの頃の僕は幼稚園に到着するや女の子たちに囲まれ、

バレンタインの日には自分だけクラスの女の子全員からチョコをもらい、

可愛い女の子を家に上げて一緒に遊び、

ときにはキスをねだられたりもしていた。

そう、モテていたのだ。

(ここが唯一の人生の山なので、敢えて過剰なほどに強調しておく)

 

卒園

とにかく滅茶苦茶モテていた僕だが、当時の僕は異性の興味が全くなく、

(やれやれ……仕方ないなあ)

くらいの感情しか抱いていなかった。

ラノベ主人公並みの低テンションである。あの頃の自分をぶん殴ってやりたい。

僕は自分が置かれている状況に何のありがたみを感じていなかったのである。

そして、自分が今人生のピークにいるということを知る由もなかったのである。

そして、なんやかんやで卒園式の時が来た。

 

転勤族の僕は既に皆とは違う小学校に進むことが決まっており、家の荷物はもう全て段ボールの中に入れられていた。

僕は卒園式が終わると、クラスの友達に最後の別れを告げた。

僕の顔を見て、悲し気な表情を浮かべる友達。……いや、悲し気だったかはよく覚えていない。男友達からは嫌われていたかもしれない。

とにかく最後の別れを告げ、僕は親のいる車に乗り込んだ。このまま直接、引っ越し先の新しい家まで直行する予定だったのである。

その時だった。

こんこん

誰かが車の窓ガラスを叩く音が聞えた。

僕は車の窓を開けた。

窓を開けたその先には、同じクラスだった女の子、かおりちゃん(仮名)が立っていた。

 

かおりちゃん(仮名)

窓越しに立つかおりちゃん。彼女は無言のまま僕を見て突っ立っていた。

手には何か封筒らしきものを持っている。どうやら僕に手紙を渡したいらしい。

……その後のやり取りはよく覚えていないが、とにかく僕は手紙を受け取った。

 

引っ越し先の新しい家に着いてから、僕は手紙の中身を確認した。

「むこうにいってもげんきでね」

レベルの、簡単な内容の手紙だった。

僕は、

「こんにちは。ぼくはげんきです」

レベルの返事の手紙を書いた。

ここから僕とかおりちゃんによる、数年に渡る手紙のやり取りが始まった。

 

手紙とチョコレート

かおりちゃんは半年に一度くらいのペースで、僕に手紙をくれるようになった。

特にバレンタインデーの日はチョコレート付きで送ってくれた。

既にモテなくなっていた僕は、それをありがたく頂いたのを覚えている。

僕の方は僕の方で、ホワイトデーにお礼の手紙を書いた。

別にかおりちゃんのことは好きでも嫌いでもなかったのだが、親がうるさいので返事は必ず毎回書いた。

次第にお互いの文章力は上がっていった。

お互いの文字数もだんだん増えていった。

再び僕が引っ越しても、かおりちゃんは新しい住所に手紙とチョコを送ってくれた。

次第に僕はかおりちゃんを意識し始めた。

そして、僕は小学校3年生になった。

 

親父

小3の3月。去年と同じように、かおりちゃんへのお礼の手紙を書いていたときのことだった。

たまたまその様子を見かけた僕の親父が、いきなり僕にこんな提案をした。

「なあ、毎年チョコレート貰ってるんだし、お前も何かプレゼントをしたらどうだ? 例えば写真とか

プレゼントに写真? 一瞬何を言っているのかよくわからなかった。

「写真って何の写真?」

僕は親父に尋ねた。

「決まってるだろ。お前のカッコいい顔を、かおりちゃんに見せてあげるんだよ!」

親父はそう言って、押し入れの中から大きな一眼レフカメラを取り出した。

今になって気付いたことだが、どうやら当時の親父は写真撮影にハマっていたらしい。

行事のたびに大きなカメラを持ち歩き、やたらと写真を撮りまくっていたのだ。

おそらく『写真のプレゼント』というのも、ただ単に自分が写真を撮りたいだけの理由づけだったのだろう。

「さあ、公園で撮影するぞ!」

親父の考えなんてつゆ知らず、無知で純粋だった僕は、何がなんだかよくわからないまま、親父の写真撮影に付き合わされるはめになった。

この選択が後に、大きな悲劇を招く結果となる。

 

写真撮影

誰もいない夜の公園。

親父と僕は、そこで写真撮影を行った。

僕はただ、親父の指示に従ってポーズをとり続けた。

 

遊具で遊んでいる僕。

ブランコをこぐ僕。

ポケットに手を突っ込み、丘の上から下を見下ろす僕。

夜空を見上げる僕。

 

今でもその頃撮った写真らしきものが残っているが、はっきり言って猛烈にダサい。そして恥ずかしい。

可愛げのないかずき が夜空を見上げてもカッコイイわけがない。

それ以前に、ただカッコつけただけの写真を貰っても嬉しいはずがない。

しかし当時の僕は無知だった。

親父の言う「カッコいい」という言葉に惑わされ、幼稚園時代のモテていた自分が忘れられず、完全に自分のことをカッコいいと思い込んだ。

そして親父と撮影した写真の中から厳選し、特に気に入った数枚を手紙と一緒に封筒に入れてしまった。

そして封筒に住所を書き、うきうきでポストに投函してしまったのだった。

こうして僕の黒歴史は、無事にかおりちゃんの元へと旅立っていった。

 

それから

それから僕は、そわそわしながら手紙の返事を待っていた。

かおりちゃんは写真を見てどんな反応をするだろう。そしてどんな返事をくれるだろう。

まだ僕のことが好きなのだろうか。

僕はかおりちゃんのことが好きなのだろうか。

かおりちゃんは、今どんな感じなのだろうか。

 

色々と妄想を膨らませる僕。

しかし、

かおりちゃんから返事がくることはなかった。

 

おかしいと思う僕。

何かの間違いだろうと思った。

何かの不手際があっただけで、来年はきっとくれるだろうと思った。

しかし、

かおりちゃんから手紙は二度と来なくなった

 

なぜかおりちゃんが手紙をくれなくなったのか。

その理由ははっきりしている。

僕の顔を写真を見て我に返ったから。

 

 

かおりちゃんからの手紙は今でも大切に保管している。

そしてその手紙を見るたびに、切なさと後悔と親父への怒りが沸き起こってしまう。

あのとき写真を送らなければ、一体いつまで手紙のやり取りは続いていたのだろうか。

なんて未だに考えてしまう僕は最高に気持ち悪い。

かおりちゃん、もしまだ持ってたら僕の写真は捨ててください。(あと手紙の返事よかったらください)

 

つづく

 


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