理系だけど、院に行かないで就活することにした【魔法戦士を目指して】

雑記
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大学院進学率9割以上の学科にいるけれど、いろいろ考えて就活することに決めた。

今回は、自分がこの決断に至ったまでの過程を文章にしてみようと思う。

 

理系大学生という魔法使い見習い

理系大学生とかいう魔法使い見習い(大学辛い)

↑以前書いたが、理系大学生というものは、例えるなら魔法使い見習いだと思っている。

・よく分からない呪文(数式)を使う

・極めると凄いことができる

・だけど極めるまで時間がかかる

自由自在に魔法(技術)を扱い、社会に貢献する魔法使い(研究者)。

素敵な役職であると思う。自分も当然、魔法使いに憧れたから理系という道を選んだ。

しかし大学生活を過ごす中、次第に自分の中であるモヤモヤした思いが段々と大きくなっていくのを感じた。

このまま大学院に進むのは正解なんだろうか?

 

院に行くことへの不安

研究者という魅力的な職業。そして研究者になるための訓練を行える、大学院という恵まれた環境。

せっかく苦労して大学に入学したのだ。普通に考えれば、大学に残ってとことん学問を究めるのは正しい選択であるように思う。

実際のところ、自分のクラスでは九割を超える生徒が大学に残り、そして院試勉強をして、大学院へと進学している。一般的に見て、理系大学生が大学院に進学するのは『正しい』選択なのだろう。

そんなわけで、自分の知り合いも当然のように院試の勉強を始めたりし出したのだが、僕はどうしても院に進学することに納得がいかなかった。

いろいろどう考えても、以下の不安要素↓を払拭することが出来なかったからだ。

 

不安1 勉強辛い

単純に勉強が辛い。数式を見ても面白くない。

大学に入る前は漠然と魅力に感じていた様々なかっこいい技術や研究だけど、その背後では途方もない量のしょうもない努力が隠れていたことを入学してから知った。

技術に触れるのは好きだけれど、正直それが成立するための理論までは好きになれない。

もっと言うと、自分がしょうもないと感じてしまう理由には無力感というものも含まれていると思う。

勉強しても誰かの何かをなぞっただけでしかない感じ。今学んでいるスキルを究めて社会に貢献できるレベルになるのはどれだけ時間がかかるんだろうという感じ。周りに優秀な人が多すぎて劣等感を抱いてしまう感じ。

この無力感を解消できないまま、大学生活を二年延長するのはなかなか辛いことのように感じた。

 

不安2 意外とリスクが高い

理系の大学院を出ると就活が超強い。大手の研究職に就職できる。給料も良い。だから安定を狙うなら院に行くべき。

それはそうなのかもしれないが、それ以前のところで意外とリスクが高いんじゃないかなあと思った。

そもそも院試に受かるのか、とか。

研究が忙しくて病んだりしないのか、とか。

もし仮に落ちこぼれたとき、誰か救済してくれるのか、とか。

そもそも研究職が自分に合っているのか、とか。

大学院、研究に適応できずに苦しんでいるという人の声は意外とよく聞く。

適応できなかった場合のリスクも考慮すると、割と大学院に進む方が逃げ道の無い茨の道なのではないだろうか。

 

不安3 自立が遅れる

年上の院生がソシャゲに課金するかどうとかの話で盛り上がっているのを見たとき、何ともいえない気持ちになってしまった。

これは自分が見てきた中での印象でしかないのだか、正直大学院生を見て、「自分もあんな風になりたい」と思えるようなことがほとんどなかった。

もちろん、院生は優秀な人ばかりだ。社会貢献している人もたくさんいる。いるのだが、やはりどうしても『自立』の面が気になってしまう。

自分は浪人して大学に入った。そして未だに実家暮らし。親に養ってもらっている。その両親は高卒で、自分の年の頃にはもうとっくに自立していた。

大学院に進めば、卒業する頃には25才になってしまう。下手すればもうおっさんだ。大学院で何か満足いく成果でも出せればいいのかもしれないが、せいぜい自分の活躍なんて想像がつく。

果たして25で初めて社会に出て、自分は立派な大人になれるのか? 大学院で努力すれば、自分は幸せになれるのか? 研究ではなく、もっとほかに優先すべき努力があるのではないか?

そんな思いがどうしても離れなかった。

 

幸せと成功の必要条件

上記の理由から大学院進学に疑問を抱いた僕は、そもそも根本のことについて考え直した。

そもそも自分は何になりたいのか?

将来的にどうなれば自分の人生は成功といえるのか?

このとき、僕は敢えて『自分にとっての最高の成功』は考えないようにした。

偉大な発明家になりたいとか世界を救いたいとか異世界に転生したいとか、まあ理想を求めればキリがないからだ。そしていくら高い理想を掲げたところで、実現できなければ意味がないからだ。

だから僕は次のことを考えることにした。

自分にとって必要最低限かつ実現可能性の高い成功とは何か。そして、その成功のためには何が必要か?

言いかえると、『成功の必要条件』が何かを考えるようにしたのである。

このとき、大学院に進んむことで得られる『研究』『独自の技術』『最先端の知識』というものは、自分の成功のための必要条件ではないなあと思った。

〇研究を仕事にして高い給料をもらい、幸せな家庭を築く

〇学んだ最新技術を活かして起業して、好きなように生きる

もちろんこれらは『成功』に値するのだけれど、自分にとっては必要条件というよりは十分条件な気がする。別に大学院に行くことで得られる要素を取り除いて、

〇そこそこの仕事をしてそこそこの給料をもらい、幸せな家庭を築く

〇普通のプログラミングを究めて独立して、好きなように生きる

これでも自分にとっては十分成功した生き方だと思う。

そう考えたとき、必要条件が何かを改めて考えると、それは先端技術の知識でも研究でもなく、

『自立すること』『自分で金を稼ぐこと』

なのだと思った。

そして、その必要条件を満たすために自分ができる最善の努力は

『社会に出て働くこと』

なのだという結論に至った。

 

 

魔法戦士を目指したい

話は戻るが、僕は研究者のことを魔法使いだと思っている。

一方で、社会に出て戦うビジネスマンなんかは戦士だと思っている。

僕は今まで、魔法使い見習い(理系大学生)として、いろいろなことを学んできた。

しかし、自分がこれから身に着けるべきは戦士的戦闘力(社会人的スキル)だと悟った。

だから僕はこう決めた。

魔法戦士(エンジニア)を目指す

これまた勝手な偏見だけど、僕はエンジニアのことを魔法戦士だと思っている。初級~中級までの魔術(技術知識)を活かしながら、ざくざく敵を倒す(仕事をこなす)イメージだ。

大学で学んだ知識を活かしつつ、実用的な初級魔法(プログラミングスキル)を巧みに操り、どんどん敵を倒していく

とりあえず僕はそんな人間になりたい。

まだ結婚するとかフリーランスになるとか、その辺の目標は決めていないが、とにかく必要条件である『自立』と『金』の問題をクリアすれば、なんとか生きていけそうな気がする。もちろん、それが上手くいけばさらなる成功も狙いたいところだ。

 

……というわけで、僕は最近、大学の勉強はそこそこにこなしつつ、就活を見据えてインターンなんかに参加したりしている。

コミュ力や性格的問題で毎日ピンチの連続だが、まあ前には進んでいると信じたい。

 

とは決めたものの……

知識をアピールしようにも院生には勝てない…

プログラミングスキルはプログラミングガチ勢には勝てない…

コミュ力は当然文系に勝てない… (理系にも勝てない)

いろんなスキルを幅広く伸ばそうとした結果、何もアピールできるものがない。

テスト勉強とインターンに追われている間にもう2月になってしまった。

よく考えたら自己アピールなんてろくにしたことない。自分が他人より秀でたことってなんだ? ネガティブな発想力か?

ほんとに就職できんのか?

 

果たして、自分のこの決断は正しいのか。

また上手くいかなかったら、このブログで現状報告しようと思う。

 

 


追記

本命企業には落ちましたが、とりあえず就職先決まりました。

SIer若手の生存戦略(#1)1年目は配属ガチャが全て
新卒2年目。SIerでの自分の生存戦略を紹介します。今回は就活〜配属までの自分の戦略を書きました。

SIer若手の生存戦略(#1)1年目は配属ガチャが全て

コメント

  1. 大学院に行きたくない理由として、リスクが高いだとか、自立が遅れるとか言っておられますが、学部卒はそもそもリスクしかありませんよ?(あなたが人事ならなんのスキルもない学部卒を取ろうと思いますか?) また学部で学んだことを活かすと言っておられますが、学部卒が企業で知識を活かすことなんてほとんどありません。高卒や文系と同じ営業職などでブラックにこき使われるだけですよ。PV稼ぎで変なことを言っているのかもしれませんが、もし本気だとしたらさすがに現実を知らなさすぎです。

  2. コメントありがとうございます。少し補足すると、自分は半年ほど前からエンジニア系のインターンをしていて、そこで学部卒でも『そこそこ』やっていけそうなイメージはある程度ついているつもりです。あくまでイメージですが。

    匿名さんのおっしゃるように、学部卒がリスクが高いというのはごもっともだと思います。ただ、この記事に書いたこととインターンでのわずかな経験を合わせて、今回の就職という決断に至りました。あと、大学院に対して少し批判的に書いてしまいましたが、大学院の先輩方はとても尊敬しています。誤解させてしまっていたらごめんなさい。

    匿名さんの予想通り失敗して苦労するかもしれませんが、そのときはそのときでブログのネタにでもしようかと思っています。

  3. 時と場合、状況によって異なりますが、学部卒で就職するのもいいと思います。というのも私は理系の院に就活から逃げるように進学しましたが、学部で就職しとけばよかったと思うからです。まつようじさんがおっしゃるように研究室によってはアカハラや何のためにやっているかわからないしょうもない研究をさせられるというリスクがあります(私がそうですが)。また学部で就職した友人もちゃんとした就活をしてれば、普通にいい企業に就職できています。
    最初にも書きましたが、同じ大学生でもその状況がさまざまなので、正解はないと思います。まつようじさんがいろんな情報を加味して決めたことならば、応援したいと思います。

    • ありがとうございます。ぷらなさんのコメント見て少し安心しました。まあ結局、どっちの選択が正しいかなんて終わってからじゃないと分からないですよね。
      とりあえず後悔だけはないように就活頑張ろうと思います。

  4. ようやく自分は魔法見習い学校1年に今年なりました。
    まつようじさんのブログは浪人時代から拝見させてもらってますが、面白い記事ばかりで大変参考になってます。
    理系にとって院に行くか行かないかは大きな決断だと思いますが、よく考えて出された結論のようなので応援したいと思いました。
    就活がうまく行くことを願ってます!

    • 嬉しいコメントありがとうございます。あと入学おめでとうございます!
      大学生活を振り返って、あの時ああしとけばよかったなあみたいに思うことが最近よくあります。後悔がないように、とにかく色々とチャレンジしてみることをおすすめします。

  5. エンジニアなら院行く必要はないですよね。最も研究職に就かないならそこまで院に行くメリットはないと思います。自分は今大学一年で理系ですが、SEに興味がありあんに行くつもりもありません。そこで質問なんですがSEは院に行くと不利になると言うのは本当ですか。

    • コメントありがとうございます。社会人二年目になりました。
      これはあくまで主観ですけど、大学院が『遠回り』になることはあっても、『無駄』とか『不利』になることはないんじゃないかなと思います。

      自分の入った会社は学部卒も院卒も、全く同じ環境で同じように研修を受けました。そのときは「学部も院も関係ないじゃん」と思いましたが、最新技術を扱う面白そうな部署に院卒ばかりが配属されていることを知って、「院行っとけばよかった」と少しだけ後悔しました笑

      まだ大学一年ということなので、視野を広く持って色々と情報収集してみるといいと思います!