ようやく曜にスポットが当たった11話。
器用だけどそれゆえに上手くいかない、そんな曜の不器用な気持ち。
11話 『友情ヨ―ソロー』 感想
梨子、普通にピアノを選ぶ
案外ここはあっさりでした。
「みんなのためにラブライブ出る!」
的展開も予想しましたが、まあまだ地区予選ですもんね。
ピアノで成功する方が千歌も喜ぶことでしょう。
そういえば、前回の僕の考察はまるっきり検討違いということに……
梨子が東京に行くことで、逆に9人の結束力は強まった印象です。
そしてその結果、梨子はピアノに対する過去のトラウマを克服した様子。
仲間の力は強い。
考察 不器用で器用な曜
曜の考察がようやく出来る!
千歌と曜。二人のダンスがかみ合わない
二人の関係を表す象徴的なこのシーン。
千歌が曜に合わせ、曜が千歌に合わせる
→かみ合わない
千歌がいつも通り踊り、それに曜が合わせる
→かみ合う
曜の気持ちが一方的に強まっているのがよく伝わってきます。
普段通りの千歌になら合わせられるけど、自分に合わせた千歌の踊りは合わせられない。
このときの曜は、千歌にとって自分がどう映っているのかが見えていなかったのではないでしょうか。
器用で要領が良い曜
わたし、全然そんなことないんだけど、なんか要領良いって思われてることが多くて、だから、そういう子と一緒にって、やりにくいのかなって
そんなことを言っていた曜
(やっぱり自覚はあったんだ……)
料理、ダンス、衣装づくりにコミュニケーション能力……。
作中で、曜は全てのことに人並み以上の才能を見せています。
曜は普通以上の器用さの持ち主です。
普通コンプレックスの強い千歌にとっては、ある意味対極的な存在でしょう。
自分の存在が千歌のコンプレックスを増幅させているのでは。
そんな意識が曜にはあったわけです。
器用過ぎて隙がない曜
メンバーが増えれば増えていくほど、千歌と曜が絡む回数はどんどんと減っていきます。
千歌は誰かを応援することが得意で大好きな人間です。
そんな千歌の前に現れた新メンバーは、ことごとく何らかの問題を抱えていました。
そしてその問題が、千歌にはっきり見える形でしっかり転がっていました。
千歌としては、全力で救わずにはいられないでしょう。
一方で、千歌から見た曜はどうでしょうか。
千歌から見た曜は、何でも万能な優等生的存在。憧れの気持ちが強く、千歌からすれば、応援する隙もなければ励ます余地もないわけです。
千歌だって曜のことは大好きです。しかし目の前のことに全力なあまり、曜が視界に入りづらくなっていました。
このことが、曜をじわじわと苦しめていったのです。
距離感を詰められない曜
千歌ちゃんと一緒に一つのことを成し遂げたい。
そんな思いでスクールアイドルを始めた曜。
だけど千歌とは距離感が開き、一歩引いてしまう状態に。
鞠莉に気持ちを素直に伝えろと言われるも、それもなかなか上手くできません。
なぜでしょうか。
これも、曜の持つ器用さが関係しています。
千歌に欠点を見せられない曜
私と梨子のどっちが大切なの!
私のことあんまり好きじゃないよね……
いろいろと想像するけど、どれもしっくりこない曜。
親友に言葉で思いを伝えることの気持ち悪さ
これはとてもよくわかります。(親友いないけど)
そして曜としては、思いをぶつけた後の千歌の困った顔まで想像できるのがまた器用というかなんというか……。
千歌なら困った顔をした後にしっかりと受け止めてくれるのでしょう。いや、きっと笑顔で抱きしめてくれるはずです。
しかし、性格の優しい曜としては、千歌が困ると分かりながらも敢えてその行動をするなんてことが出来ないのです。
このことは、千歌が曜の家に駆け付けてからもはっきり観て取れました。
駆け付けた千歌に対して、絶対に自分の涙は見せない!
優しい性格で、他人の気持ちが分かるゆえに、自分から助けを求めることが出来ない。
それが曜の不器用なところかなと思いました。
しかし、最後の最後に我慢できなくなって、千歌に思い切り抱き着く曜。
器用な曜でもこらえ切れない不器用な感情が、結果として二人の距離を縮めたのです。
【追記】
ただ今回、千歌が曜の悩みに気付いたかというと、そうでもないような印象も受けました。
思いを理解しぶつけ合う千歌と梨子の関係性の一方で、千歌と曜の関係は曜から千歌への一方的な感じがまだします。
『私と梨子のどっちが大切なの!』
頭に浮かんだこの思いを、曜は本当に解決することが出来たのでしょうか……
【追記の追記】
Twitterを見ていると、
『千歌は曜の気持ちに気付いていて、気づいた上で敢えて鈍感な態度を取ってる』
という深い意見もありました。
確かに、他人の気持ちに敏感な千歌なら、曜の千歌への思いに気付いていたとしても不思議ではありません。
曜と同じく、千歌にも親友だからこその直接気持ちをぶつける照れくささがあったのかもしれません。
曜が千歌に本心を見せられなかったように、千歌も曜に本心を見せられなかった。
ラストは曜が一方的に抱き着いているように見えたけれど、実は千歌も照れたふりをしてしっかりと受け止めていた。
……確かに、そういう解釈も出来なくもない気がします。
画像引用:©2016 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
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