ハーレムアニメ嫌いにオススメするハーレム作品 【神のみ】

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ハーレム系アニメが好きではない。

しかし、すべてのハーレム系アニメが好きでないわけでもない。

「ハーレムアニメなんてクソだ!」そんなあなただからこそ観てほしい作品。
それが『神のみぞ知るセカイ』です。


どうしてハーレム系作品が嫌いなのか

オススメを紹介する前に、この部分を説明しないといけません。

恐らく多くのハーレム作品嫌いの人と同じ理由なのでしょうが、僕は次の理由からハーレム作品を敬遠しています。

 

理由1:主人公に魅力がない

ハーレム系主人公には、いろいろなタイプがいます。鈍感系、難聴系、ヤレヤレ系、ヘタレ系、悟り系……。

いろいろいますが、大体のハーレム主人公は魅力がない。

もっと言うと、カッコよくない

アニメや映画を観るときのポイントとして、僕は個人的に主人公のカッコよさを重要視しています。

付け加えて言うと、このカッコよさというのは単なる外見的な魅力のことではありません。僕の言うカッコよさ。それは、意志の強さ、持っている信念の強さのことです。

僕の好きなロボットアニメ、アメコミ映画の多くの主人公は、この内面的カッコよさを備えています。

しかし、多くのハーレム系主人公は、ただ外見がイケメンなだけ。だから観ていて物足りない。

まあ、ハーレムものの主人公に意志の強さを求めるのもおかしな話ではありますが……。

 

理由2:ヒロインがちょろい

ハーレム作品は効率良く多くのヒロインを登場させるためか、ヒロインがすぐに主人公を好きになってしまう傾向がある気がします。
僕はこれが気に食わない。

理由1で述べたように、多くの主人公には内面的な魅力が足りません。

しかし、ヒロインはそんな主人公にあっさりと惚れてしまいます。(ラッキースケベ展開だったり、ちょっと優しくされただけだったり)

イケメンでなよなよした男と、それに群がるちょろいヒロインたち……。

なんだかアニメを観ているのに、現実世界の大学のテニスサークルとかが浮かんできてしまいます。純粋でちょろい女の子を観ていると、なんだか彼女の将来が心配に思えてきてしまいます。

あんな奴がモテるのはおかしい。結局は顔がすべてなのか!? このモヤモヤした感じは、主人公に対する嫉妬の感情なのでしょうか……。

 

理由3:ご都合主義的に主人公の評価が上がる
理由4:何でも主人公の思い通りになる
理由5:主人公が……

きりがないのでこれくらいにしようと思います。

とにかく、ハーレム作品が嫌いな理由はこれに尽きる。

主人公が嫌い

この問題を解決するのは難しいです。僕のようなひねくれたモテない根暗オタクが、大してカッコよくもないモテモテ主人公を好きになることはまずありえないのだから。

ハーレム作品で僕が本当に満足するためには、

主人公が魅力的でカッコよく、

かつ多くの可愛いヒロインが登場し、

かつその可愛いヒロインそれぞれにしっかりとした考えがあり、

そしてヒロインがしっかり考えた上で主人公のことを好きでいて、

ハーレム状態になってはいるけれども、

そのハーレム状態を維持するために主人公が不自然な鈍感さを見せたりせず、

物語としての面白さも一定水準以上ある作品

でないとならない。

果たしてそんな作品はあるのでしょうか……。

 

 

ありました。

この作品です。(前置きが長い)

『神のみぞ知るセカイ』

ギャルゲーの神が、リアルの女の子を攻略する!

舞島学園高校に通う桂木桂馬は恋愛シミュレーションゲーム、いわゆる「ギャルゲー」が好きな高校生。その腕前から「落とし神」と呼ばれる彼は、ギャルゲーの登場人物である2Dの女をこよなく愛している。
そんなある日、桂馬の元に「攻略してほしい女がいる」というメールが届く。「無理なら絶対に返信しないように」という挑発的な文面に憤慨し何も考えずに返事をした途端、彼の目の前に空から1人の少女が舞い降りる。少女の名はエルシィ。地獄からはるばるやってきた悪魔だという彼女は、桂馬に「駆け魂」の捕獲を依頼する。その方法は、取り憑かれた人間を恋に落とし心のスキマを埋めること。現実の女性とは関わり合いを持ちたくない桂馬は当然断るが、先のメールに返事をしたことで悪魔との契約が成立していること、契約は解除はできず、自分とエルシィの命がかかっていることを知ると渋々承諾する。
こうして、ギャルゲー界の「落とし神」桂木桂馬の3D女性攻略が始まった。

『神のみぞ知るセカイ』 wikipediaより

おすすめポイント

その1:ハーレムもののデメリットを完全に消し去った秀逸な設定

『ゲーマーがギャルゲーのテクニックを利用して現実の女の子を攻略する』

これだけ聞くととんでもないクズ主人公を連想してしまうかもしれないですが、全くそうではありません。

主人公桂木桂馬には、どうしても女の子を攻略しないといけない理由があるのです。

その理由とは

①悪魔と契約してしまったため、女の子を攻略しないと自分の首が飛ぶ(死ぬ)

②女の子は『駆け魂』に憑りつかれているので、放置しておくと大変なことになる。

③女の子を惚れさせないと世界が滅ぶ(女神編)

 

……すごいです。まさに命がけです。世界の命運まで握ったりしちゃいます。

なんとなく部活して気が付いたら惚れられてる、なんて甘い話ではありません。

自分からアピールしないと絶対に惚れさせられない
そして惚れさせられないと死ぬ

かなりぶっとんだ設定ですが、この設定が時に物語に緊迫感を与えてくれます。そして主人公が命がけで恋愛をするので、ハーレムになっても観ていて不快感がありません。

そしてさらに、物語を進行していく上で秀逸だと思った設定がもう一つ。

攻略された女の子は、主人公に関係する恋愛の記憶が消える

この設定が面白い。

主人公が命がけで攻略し、そしてようやく惚れさせられた女の子。

ここでそのヒロインは主人公とイチャつくのかと思いきや、惚れた瞬間記憶が消えて元通り。

次の回からはこれまでのように、主人公とは他人の関係になってしまいます……。

 

そう、実はこの物語、

ハーレムものなのに主人公がチヤホヤされないのです。

ひたすら

憑りつかれた女の子見つける

命がけで惚れさせる

女の子の記憶が消える

のパターンが繰り返されます。

記憶が消えるという設定。これが一つあるだけで

・普通のラブコメには無いはかなさが生まれ、
・ハーレムヒロイン同士の醜い争いが消え、
・報われない主人公にカッコよさが生まれ

たのです。

明らかに普通のハーレムものとは違いますよね。

 

その2:「現実なんてクソゲーだ!」 主人公に信念があってカッコいい

信念のある男はかっこいい。そして『神のみ』の主人公、桂木桂馬には、絶対にブレない信念があります。

それは、

kaminomi

「僕が好きなのはゲーム女子だけさ! 現実なんてクソゲーだ!」

 

桂木桂馬は重度のゲームオタクです。

何事にも論理的に考える天才型主人公で、感情的、突発的に行動する『リアル女子』のことを毛嫌いしています。

曲がったことが大嫌いで、理不尽で合理的でないことが大嫌い。

そんな彼が、『現実の女の子を惚れさせないと死ぬ』という理不尽でメチャクチャなことに巻き込まれてしまうわけです(笑)

 

ゲーム好きの天才主人公。彼は常に孤独です。現実世界に生きる目的を見いだせず、ひたすらゲームの中の仮想空間で自分の理想を追い求めています。

そんな彼ですが、嫌々ながらも現実の女の子と関わる中で、次第にある疑問を抱くようになります。

こんなクソみたいな世界で、彼女たちはどうしてこんなに必死になっているのだろう。

そして彼の持つ哲学に、次第に変化が生じてくるのです。

 

人知れずヒロインたちを救う、孤高の天才桂木桂馬。彼の持つダークヒーロー的な魅力と、独特な考え方が物凄く好きです。

ハーレム作品なのに、一番好きなキャラクターが『主人公』という謎の現象が起こってしまっています。

 

その3:もちろんヒロインもかわいい

もちろんヒロインは可愛い。そもそもアニメや漫画でブサイクなヒロインなんて見たことがないので、その点は心配する必要はありません。

しかし、ここで言いたいのは外見の話ではなく内面の話。内面的にそんなに可愛くないヒロイン。これは結構いる気がします。(例は挙げませんが)

けれど、本作『神のみぞ知るセカイ』では、とにかくヒロインの内面的魅力すごいです。

そしてなぜここまでヒロインの内面的魅力が出ているかというと、これも主人公の活躍が大きいと思います。

 

従来のハーレム主人公とは違い、『神のみ』の主人公は超敏感です。

大量のギャルゲーをしているおかげで、ヒロインたちの考えていることが手に取るようにわかります。

そして瞬時にヒロインの抱える悩みを見つけ出し、そしてそれを解決することで、ヒロインたちを惚れさせているのです。

主人公がヒロインのことを探り、思考回路や抱える悩みを分析する。
次第にヒロインは主人公に心を許し、自分の弱みを見せ始める。
こうしてヒロインの内面が深く掘り下げられる。

なよなよした主人公や、無関心を装う主人公では絶対に起こらない展開でしょう。

 

最後に

『神のみぞ知るセカイ』を観て、僕は自分の中にあった『ハーレムラブコメイメージ』が大きく覆りました。

どうやら主人公に男らしい魅力があれば、女の子がいっぱい出ていても問題なく楽しめるみたいです。

いやそれ以上に、むしろハーレムもの好きかもしれないと思うようにまでなってしまいました。

 

『神のみぞ知るセカイ』は週刊少年サンデーで2014年まで連載されていた作品です。

現在は既に完結し、コミックスは26巻まで発売されています。

 

一方アニメの方では、女神編の終わりまで三期分放送されていました。

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アニメの3期(女神編)は演出が神がかっていたのでぜひ観てみてほしいです!

『神のみ』ハーレムアニメ嫌いにこそ、オススメです!

 

画像引用:若木民喜・小学館/ユピテルの姉妹


コメント

  1. わー!私もこのマンガ、好きです(^^)
    魅力をうまく説明してくださっていて、嬉しいです。

    私には兄弟がおりまして、兄弟がいわゆる男性向けハーレムマンガを買っていたので、ちょっと読んだことがありますが、ちーっとも面白いと思えず……。

    まつようじさんも言われてますが、主人公に魅力がない。
    けど、「ハーレム物は、きっと、読者が主人公に自分を重ねやすいように、あえて無個性にしているんだろうろうな」と考えて納得してました。

    前に男性向けの恋愛マンガと女性向けの恋愛マンガの違いを考察した文を読んだことがありまして、その中で、『男性向けは、冴えない自分が好かれるストーリー、女性向けは、冴えない自分が素敵に変身するストーリーが人気』という感じのことが書いてあり、『なるほど!』と思いました。
    『ああ、それで、ハーレム物というか、男性向けの恋愛物の主人公は、あえて魅力に乏しい描き方をするのか』、と。
    (そして、「確かに女性向けは、シンデレラストーリーが多いな」、と。)

    『神のみ』は、女の子はいっぱい出てくるけど、実はストーリー的にはハーレム物じゃなくて、勇気、成長、冒険の王道少年マンガですよね。
    だから、面白かったのかなー、なんてこの記事を読みながら改めて考えました。

    これからもユニークな考察、楽しみにしてます(^^)

    • ありがとうございます!
      違いの考察面白いですね。やっぱり『神のみ』ってハーレム物の中でも異質だなあと思います。