甲鉄城のカバネリ 【5話感想】 無名の兄さまはたぶんクズ

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なんじゃこりゃ……

ヤバそうなデカいのが現れ、再び大ピンチになった今回。

それでもやはり気になるのは、無茶してしまう無名の心情です。

 


5話『逃げられぬ闇』 あらすじ

カバネに滅ぼされた八代駅で、甲鉄城は生存者を拾った。
生存者の中には無名の昔なじみ榎久がいた。彼は甲鉄城に馴染み始めた無名を弱くなったと指摘する。
焦った無名は、自ら無謀な戦いを選択し、窮地に陥ってしまう。

『カバネリ』公式サイトより

 

感想

仲良くなり始めた一行

これはいい傾向。全体的に話が暗い分、束の間の日常パート(?)は安心します。

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ちょっとした協力プレーもみられて安心。

 

駅に到着。しかし大惨事

日本はもうボロボロです。全然カバネを防ぎ切れていない。いや、むしろよく今まで持ちこたえていたなあ。

そして、菖蒲が

「迂回したら10日は余分にかかってしまいます」

と言っていたけど、どんだけ金剛郭は遠いんだよ、と思いました。

ちなみに現在の日本では、北海道から鹿児島までの距離でも、二日もあれば電車で到達可能です。

生駒たちは今いったい、日本のどこを走っているのだろう。そして、どの場所を目指しているのだろう。

(一応グーグルマップで『金剛郭』を調べてみたら、山形県のグルメショップが表示された)

 

何かデカいのが来た

やはり衝撃的だったのがラスト。

何だあの黒くてデカいのは!

カバネが固まりになって動いている『黒けぶり』というものらしいですが、あんなのにもう勝ち目なんてないでしょ……

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まさか、生駒も巨大化して戦うのか……?

 

無名の心情分析

さて本題です。

今回、注目したいポイントは「無名は何を考えているのか」です。

3話まではクールで超強いキャラクターだった無名ですが、4話ではこれまでと少し異なります。

相変わらず強いっちゃ強いのですが、必要以上の無茶をして自らピンチを招いたり、生駒に邪魔扱いされて戸惑ったりと、無名の未熟さや弱さが際立っていました。

ネットで他の方の感想を見ると、
「無名が急に無能になった」
「話の都合に合わせてキャラをダメにするのは良くない」

といった意見もみられましたが、 (もちろん好意見も多い)僕は割と良い展開だと思いました。

無名の行動は突飛ですが、ストーリーの流れからすると割と自然だと思います。ただ、敢えていうなら1クールものという制約が原因で心情描写不足になっているのかもしれません。

 

と、いうわけで(前置きが長い)

今回アニメで描写されきれなかった無名の内面を、僕が勝手に補完しようと思います。

主観にまみれた分析なので、そこはご了承ください。

 

無名の心情

見捨てられたくない

無名はクールなキャラだと思っていたので意外でした。

12歳だと考えれば当然なのですが、誰かに必用とされていたいという
『自分の居場所を守りたい気持ち』
を強く抱いているのでしょう。

いや、それよりも
『自分の居場所を失くしたくない気持ち』
といった方が正しいのかもしれません。

というのも、無名の前に現れた榎久(怪我してるおじさん)のセリフに、気になるものがありました。

お前は若様の爪だ。その手でカバネを切り裂いてこそ価値がある。
わずかでも鈍れば、お前も見限られるぞ

 

このセリフの後で、無名の目の前で人が殺されるような回想シーンがありました。おそらく殺された人は、若様によって見限られた同僚なのだと考えられます。

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若様によって組織された、カバネを駆逐するための集団。その集団の一員に、無名も入っているのでしょう。

そして無名は、その組織を自分に与えられた居場所だと考えている。

しかしその集団内はシビアな世界。自分がいつ見捨てられ、切り捨てられるかわからない。

だから無名は弱くなったと言われたことに焦り、無茶な行動に出た。

こう考えると、無名の突飛な行動にもなんだかしっくりきます。

 

若様=兄さま?

無名と榎久の会話の感じからすると、若様と兄さまは同一人物のようです。

若様=兄さま
これなら、無名が『組織』に居場所を求める理由にも納得がいきます。

『自分の居場所を失くしたくない』=『兄さまに切り捨てられたくない』なのでしょう。

兄さまに切り捨てられない

兄さまに切り捨てられないためには、強くないといけない。

強くいるためには、慣れ合いを捨てないといけない。

うわあ……。
なんだか無名が、クズ兄貴のために一生懸命頑張る健気な妹のような気がしてきました。

そう考えると、いろんな鬱シーンが容易に妄想できてしまいます……。

 

兄さま:「今日からお前の名前は無名な(適当)」
無名:「えへへ、兄さまが名前を付けてくれたんだ♪」

兄さま:「弱いやつはいらん。死ね(銃バーン)」
無名:「よくある話だよ。弱い奴が死んで、強い奴が生き残るんだ」

兄さま:「お前は今日からカバネリだ。カバネを殺すためだけに生きろ」
無名:「私はカバネじゃなくてカバネリ。カバネじゃない。カバネじゃない。カバネじゃない……」

うわあ……。シャレになんねえ……。

 

甲鉄城メンバーも嫌いじゃない

切り捨てられないために、甲鉄城メンバーと距離を置こうとした無名。

しかし、3話までで仲間と親睦を深めた影響からか、完全には生駒たちのことを裏切れない様子でした。

そして注目してほしいのが、無名が表情を曇らせるシーン。無名は明らかに、自分が無能扱いされるセリフに敏感に反応しています。

「むしろ奴らを刺激しただけじゃないか!(モブの武士)」
「ちょっと黙ってろ!(切れ気味の生駒)」

自分が必要とされないことを酷く恐れる無名。既に体力の限界が来ていたこともあり、無名は初めてカバネに完全に敗北してしまいます。

 

この無名の行動から考えられることは、無名が兄さまの組織だけでなく、甲鉄城にも自分の居場所を感じているということです。

無名にとって生駒たちがどうでもいい存在なら、彼らの言葉にいちいち動揺したりはしません。まだ兄さまの方が大事かもしれませんが、これから生駒たちの存在の大事さも、無名にとっては大きくなっていくことでしょう。

 

今後の展開

ここまで書いてきた僕の考え。それらが全て正しければ、今後の展開は容易に想像できます。

勘の鋭い方なら、もうお気付きのことでしょう。

 

……そう、『甲鉄城のカバネリ』とは、生駒がカバネを倒す物語ではなかったのです。

僕が導きだした仮説ではこれです。

『甲鉄城のカバネリ』は、無名が【兄さま】というクズな兄から自立し、【生駒】という新しい兄を見つけるまでの物語

 

無名の活躍にこれからも期待したいです。


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今回の仮説には少し自信があります。

次回は生駒と無名が閉じ込められる展開。

僕の仮説が正しければ、おそらく次回で無名は生駒にデレます。

いろんな意味で次回に期待。

 

 

画像:©カバネリ製作委員会


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