空気を読もうとしている時点で空気読めてない

ねくら思考
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たぶん、僕は空気が読める人間です。

しかし、僕は人付き合いがニガテです。

どうやら
空気が読める人 = 人間関係が上手い人
ではないらしい。

そんなことに気付いた話。


気付いたこと

空気は読めるのに人間関係が上手くいかない。
それはなぜか。

以前から、僕はそんなことをネチネチと考え続けていた。

僕は空気が読めている。まずそれは間違いなく事実だ。
周りから嫌われているわけでもないし、人に迷惑をかけた記憶もない。

かといって好かれているわけでもないが、一応『真面目で性格の良い奴』くらいの印象を与えることには成功しているつもりだ。

ではなぜこんなにも上手くいかないのか。

集団で人と話しているとき、なんだか自分だけ馴染めていないような気分になる。
自分だけ発言回数が少ないような気がする。
この集団の中での自分の存在価値がない感じがする。
人と話しても楽しくない。

もやもやを抱えながら生活していたある日、僕は一つの真実に気が付いた。

その真実とは、
空気を読んでいるから人間関係が上手くいかない
ということだ。

 

実話

高校生の頃、クラスメイト数人で話をしていたときのことである。

僕は会話に参加するふりをしながら、ある一人の人間を観察していた。
その人物の名を生徒Aとする。

生徒Aは友人の多いタイプだった。どんな人間にも明るく話しかけ、いつも笑顔を絶やさない。身体能力や頭の良さは平均レベルだが、なぜか人を惹きつける。そんな人間だったのだ。

誰からも好かれる生徒A。きっと僕にはない空気読みスキルがあるに違いない。
そう思って彼の観察を開始したのだった。

しかし結果は予想とは違った。

生徒A、こいつまったく空気読めてねえ。

よくよく見てみると、生徒Aの行動、言動からは、他人への気遣いが何もないように感じられた。
そう、生徒Aはただの自己中人間だったのである。

  • 強い自己主張
  • 満ち溢れる自信、高めなプライド
  • 気まぐれで話題を変える
  • 大げさなリアクション
  • 押しつけがましい優しさ

箇条書きにして改めて思う。僕はこんなやつ好きじゃない。

僕は生徒Aが好きじゃない。しかし、こういうタイプの人間が多くの人に好かれてしまうのが現実だ。受けいれたくない事実だが、現実を受けいれなければ人は前にはすすめない。

というわけで、空気を読まない彼がなぜ人に好かれるのか。自分なりに解釈してみた。

 

空気を読まない生徒Aが好かれる理由

その① 本音で話している感

空気を読むという行為。その行為をした時点で、相手との間に心理的な距離が生じてしまうのかもしれない。その点、生徒Aの発言はいつだってシンプルだ。

焼肉が食べたければ「焼肉食いてえ」と言い、女が欲しければ「彼女欲しい」と言う。その発言からは何の裏の意図も感じられず、あるのは彼の内面の欲求だけだ。

そんな単純明快さに多くの人間は安心感を抱き、そして彼を信頼するのかもしれない。

その② 自ら空気を作り出している感

空気を壊すという言葉がある。これは空気を読まなかった人に対する批判の意味を込めて使われる言葉だ。

しかし、空気を壊すという行為が、必ずしも人間関係を悪化させる方向に作用するとは限らない。

生徒Aの場合、彼はときどき何の脈絡もないセリフで場の空気を壊す。しかし、その後に生み出されるのは生徒Aを中心として作られた新たな空気だ。

空気を読もうとするのではなく、自分の都合のいい空気を作り出す。そして空気が読める人間は、彼が作りだした空気に合わせようとする。

生徒Aは空気を読まない。そのことによって生じる存在感が、彼の魅力なのかもしれない。

 

あえて空気を読まないという選択

空気を読まない方が人間関係が上手くいく。

そのことに気付いたからといって、
今さら空気を読まないようにするなんて出来ない

物心がついたころから、僕は何かしらの空気は読んできた。
僕にとって空気を読むこととは、鼻で呼吸をすることに等しい。

鼻で呼吸をするのを止めろと言われても急には無理なように、長年の習慣を完全になくすことは中々難しい。

だから考え方を変えることにした。

無意識に空気は読んでしまう。ならば
空気を読むことを止めるのではなく、空気を読んだ上で、あえて空気を読まなかったかのような行動をすればよいのだ。

空気を読んだことを悟られないようにする。このことが、空気を読む上で一番大事なことなのかもしれない。

もしかしたら生徒Aも、空気を読んだ上で敢えて空気を読んでいないかのような行動をしているのかもしれない。(そうだとしたら相当な策士だ)

これからは、ときには空気が読めないふりもしよう。
僕はそう決意した。

 

 

それから数年。

(自分の心の中)

……あ、なんだか今している話題は退屈だ。別の話題にしたいが空気を読んで合わせておこうか。……いや待てよ、空気は読まないほうがいい。他の人間も退屈そうだし、ここは別の話題を切り出すべきだ。……ならどんな話題を切り出そう。無難に来週のテストの話題にするか? ……ダメだ、そんなんじゃ空気が読めていなくはない。それによって空気を変えたのだとしても、自分の空気にはならない。……いっそ思い切ってロボットアニメの話題にしてみるか? ……いやいや、それだと空気が読めてなさすぎる。誰も興味のないロボットアニメの話なんてしたら会話自体が終わる。……それなら……

 

 

余計に話せなくなった。

 

 


追記
最近こんな本を読んだ。
喋らなければ負けだよ (青春新書インテリジェンス)

この本はアナウンサーの古館さんが実践している『会話術』について細かく書かれた本。

ここに書いているテクニックの多くが、まさしく空気を読むことを止めるのではなく、空気を読んだ上で、あえて空気を読まなかったかのような行動をする方法についてだった。

しかもアナウンサーらしい実体験を交えた実践的なテクニックが多く、中々ためになる内容。

実践できるかは別にして、場の空気をコントロールしたいコミュ障の人はぜひ読むべき本だと思った。

おすすめです。

カテゴリー: ねくら思考

 


コメント

  1. 恋活パーティーで検索しててたどり着きました。いくつか読んだんですけど、どの記事も面白いですね(笑)笑いました!!

    • ありがとうございます! 思う存分馬鹿にしてください!!

  2. 最後投げやりすぎでしょ笑笑
    面白かったです!笑笑笑