シンゴジラ【ネタバレ感想】ごめんなさい、正直邦画なめてました

映画
スポンサーリンク

今話題のシンゴジラ。

何となく邦画はチープで面白くないというイメージがあったのですが、監督が庵野秀明ということで観てきました。

……ごめんなさい。正直なめてました。


観た日:8月12日

事前知識:なし (エヴァは好き)

映画を観た2時間後くらいにこの記事を書いています。情報量がかなり多かったので、正直一回観ただけでは全てを理解しきれていません。

とりあえず、映画を観た率直な感想を書きます。

 

感想(ネタバレ注意)

ゴジラが超強い。そして少しキモイ

やはり印象に残っているのはゴジラのあのビジュアル。そしてあの破壊力。

尻尾や背中から熱戦を出すのは知っていましたが、まさかあそこまでの破壊力とは思いませんでした。

エヴァっぽい音楽も相まって、ゴジラの暴走シーンでの絶望感はかなりのものです。

そして単純な破壊力だけでなく、ゴジラの外見も『恐さ』を強調しているような気がしました。

ぎょろりとした目
グロテスクで奇妙な体
何を考えているのかわからない動き

↑こういった、単なるパワーだけでない恐さの演出は、海外ではあまり見られないものだなあと思いました。

 

ゴジラ以外は凄くリアル

超強いゴジラ。これに日本人がどう立ち向かうかというと、

対策本部を設け、
ゴジラ用の法整備を整え、
武力行使するかどうかで揉め……

もの凄く現実的

対怪獣用の超強い兵器があるわけでもなく、
ウルトラマンのような救世主が現れるわけでもない。

 

ゴジラがあれだけ強いのに、人間側にはろくな対抗手段がありません。

現実虚構
虚構
現実

虚構であるゴジラは強さをとことん演出し、

現実である日本政府は融通の利かない弱さを徹底して見せる。

この二つの対比が、さらなる絶望感を生んでいるような気がしました。

 

なぜ今ゴジラなのか

この作品が、2011年の東日本大震災、及びそれによって生じた福島第一原発の事故を意識して作られていることは間違いないでしょう。

予測不能の事態に対する日本政府の対応の遅さ。

アメリカや周囲の国に振り回されっぱなしのあの感じ。

原発、原爆……

深くは書きませんが(書けませんが)、日本の抱える様々な問題をゴジラという虚構を通して伝えたかったのだということがビンビンに伝わってきました。

「俺たちはゴジラと共存していくしか道はないんだ」

↑みたいなことを終盤で言っていたのが印象的です。

 

様々な象徴的意味をもつゴジラが、東京の真ん中で眠りにつく。

「俺のことを忘れるなよ」と言わんばかりに。

そんなゴジラを見て、あなたは何を思い浮べたでしょうか。

 

アメリカとは違うヒーロー像

本作で強調されていた、組織としての日本の弱さ。

しかし、ゴジラを停止させた日本の強みとして描かれていたのも日本の組織力でした。

ヒーローなんかが活躍するハリウッド映画等とは違い、本作の登場人物は普通の人間ばかりです。

特殊能力も主人公補正もありません。

しかしそんな普通の人間が、知恵と技術とコネと権力と、持っている力を全て集結させて、じわりじわりとゴジラを追い込んでいく。

その地味さがいい!

そして、ゴジラを食い止めたラストのシーンも一味違います。

持っている力を全部出しきって、ようやく成し遂げた成功。

(やったー!)

しかし、誰も歓声を上げることもなく、アルマゲドンのようなBGMが流れることもなく、登場人物はただただほっと一息をつくのです。

その出し切った感がいい!

リアリティを追求した演出。ハリウッドのど派手な演出とはまた違った良さがありました。

 

気になった点

良かった点に比べれば些細なことですが……

年寄りの政治家が無能過ぎる

意図するところは分かりますが、少しやり過ぎな気がしました。

「え、上陸するの?」

みたいな間の抜けた演技っぽいセリフが時折あり、せっかくのリアリティを欠いているように感じました。

(……いや、もしかしてあれもリアルなのか? 首相って実はあんな頼りないのか?)

 

あんまり人が死なない

建物が崩壊するシーンは多くあったのですが、直接目の前で明らかに人が死ぬようなシーンが少なかったように思えます。

人が踏みつぶされるシーンとかあれば絶望感が増しそうだと思ったのですが、そういったシーンがなかったのは意図的なものなのでしょうか。

(追記)

いろいろ他の方の考察を読みましたが、『敢えて描かないことによる恐怖』を感じたという意見もありました。

敢えて描かないことで、観る人の想像をかきたてる。人間ドラマにも敢えてあまり触れずに、観客の想像で補完させる。

そういえばこのやり方ってエヴァの終盤に近いような気がする。

 

ヤシオリ作戦のBGM

デン、デン、デン、デン、デンデン

までやるのなら、

テーテーテテ テーテテッテッテー

までやって欲しかった。

以上です。

『実写版進撃の巨人』のイメージがあったので『邦画だって負けてない!』とか『特撮の良さ!』みたいな宣伝をしている映画に警戒心があったのですが僕の思い込みでした。

邦画をなめてすみません。かなり面白かったです。


コメント